『日本のタブー---悪魔の用語辞典2 むきだしの真実ほど恐ろしいものはない』〔2010年12月〕
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『日本のタブー---悪魔の用語辞典2 むきだしの真実ほど恐ろしいものはない』 副島隆彦編著 SNSI副島国家戦略研究所  
KKベストセラーズ 2010年12月25日刊 税込み 1680円
★本書『日本のタブー』は、去年出版された『悪魔の用語辞典』の第2弾です。

★巻頭に副島隆彦氏の「ヒューマニティーズ(人文、じんぶん)、そしてルネサンス(人間復興)とは何か」という60ページの巻頭論文があります。その冒頭部分を、以下に引用させていただきます。

この世の中には、うすうすとは知られているのだけれども、公然とは言われないことがたくさんある。それはだいたい差別に関することだ。差別discriminationの問題は人間にとって大事なことだ。これを分かりやすく言えば、学歴差別と人種差別と能力差別である。あとは美醜の問題、美人か容貌・外見が見苦しいかという問題。それから出身地やら、身なりが洗練されているか、やっぱり見苦しいかどうか。あるいはお金持ちであるか貧乏であるかという、貧富の差のことがある。この他に、男と女の性差別の問題もある。差別、区別はこれから先も、人間(人類)にとって、どうにもならない問題だ。「差別をこの世からなくそう」という人たちは多く居るが、恐らくできないことだろう。(『日本のタブー』pp.8-9)

★間違えないでくださいね。ここで副島氏は、「差別はなくならないから、放置しておけばいい」と書いていません。単に、差別がなくなることはないだろう、と書いているだけです。事実を指摘しているだけです。事実の指摘と、意見、思想とは別です。

★本書は、事実を事実として直視しない人々、または単なる「一般社会にはびこっている見解や、何者かによって伝播されている知識」以外の「事実」や「真実」があるということに思い至らない人々の脳と心を揺さぶります。

★本書で、取り上げられている言葉は、以下のとおり16です。執筆者は、副島隆彦氏のお弟子さんです。 Oxford Dictionary of Englishとか、それに類した辞書の定義に基づいて、日本人が勘違いしてその定義では伝わらない真の意味が解説されています。

★私は、副島隆彦氏のお弟子さんたちに混ぜていただくには、恥ずかしいような年齢ではありますが、そんなこと気にしていたって賢くなるわけではないので、今回も厚かましく、書かせていただきました。「教育」の項に、教師としての長い生活の中で抱いてきた疑問、鬱屈などを書かせていただきました。

★以下が、本書の内容です。

1.【優生思想】eugenics――人口削減思想の生みの親(崎谷博征)

2.【安楽死】euthanasia――安楽死は功利主義から生まれた(石井利明)

3.【薬】drug/medicine――クスリの大部分は疚しさで出来ている(六城雅敦)

4.【不老不死】immortal――魂だけが不死である(足助友子)

5.【金融工学】financial engineering――市場価格を操作する八百長理論(根尾知史)

6.【ポジティブ】positive――ポジティブ思考を解剖する(中田安彦)

7.【論理的思考】logical thinking――論理(logic)とは“連想”である(下條竜夫)

8.【教育】education――教育とは洗脳である(藤森かよこ)

9.【リベラル】liberal――リベラルとは友愛である(吉田祐二)

10.【説明責任】accountability――誰もこの言葉の真の意味を知らない(廣瀬哲雄)

11.【税金】tax――税金は悪であり、廃止されるべきである(佐藤研一朗)

12.【法の支配】rule of law――支配階級の冷徹な意思(中谷央介)

13.【ロビー活動】lobby――薄汚いものだがデモクラシーには必要なもの(古村治彦)

14.【正規分布】normal distribution――平均値という幻想(原岡弘行)

15.【人口】population――本当は恐ろしい「持続可能な社会」(高野 淳)

16.【石油】petroleum / hydrocarbon――石油は生物(化石)起源ではない(桑原義明)