アキラのランド節 |
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傭兵として雇ってください [06/20/2004]あの、どこかの大学でも大学みたいなところでもいいのですが、私を純粋に「傭兵」として雇っていただけないでしょうか。関東でも東北でも北陸でも行きます。北海道でも行きます。気温が高いところは苦手なので、北日本と東日本に限定させていただきます。ただし関西地区は大歓迎です。食べ物がうまいですから。名古屋地区だけはトラウマがあるので、お断りいたします。 給料は安くて構いません。ただ教えるだけでよくて、研究室と備品費(研究室用のパソコンとかプリンターの代金)だけあてがってくだされば、図書館を利用する権利だけ与えてくだされば、それでいいのです。研修制度も使いません。高校への出張講義とか教育実習校訪問とか、その類の出張は嫌がらずにします。試験監督も入試監督もします。そのかわり、教授会と委員会の出席と、入試問題の作成だけは免除してください。私、細かいことに気がつきませんので、とんでもない問題を作る可能性があります。 ほんとに冗談でなく、私は教授会に出ると体調が悪くなるのです。委員会に出ると、気分が悪くなり頭痛がするのです。私は、今の勤務先は勤め始めて9年目になりますが、いまだに自分の学部の同僚でさえ、名前を覚えられません。昔から、学生の名前は記憶できても、同僚の名前は記憶できないのです。特に休暇明けは悲惨です。ほとんど同僚全員の名前を忘れています。それぐらい私は教師がやりたいんであって、他のことには関心がありません。 委員会も、セクハラ相談員会みたいな実質のある委員会ならいいのですが、やってもしかたない形だけのことしかできない委員会は、私にとってほんとうに地獄なのであります。しょうもないこと声高に論じ合っているオッサンたちの顔見るだけで、死にたい気分になります。カリキュラムなどいくらいじくっても同じでしょう。だって、科目名変えたって、担当する人間は同じなのだから、内実は変わりません。成績評価について基準など決めたって、いっしょでしょう。受講登録者全員に「優」つける馬鹿教授がいるから、何とかしなければならないといっても、そんなクズ&馬鹿は必ずいるものです。今のところ日本の大学教員は終身雇用制でクズ&馬鹿を排除するシステムがないのだから、成績評価の基準などいくら作っても、そんな基準守ろうが守らなかろうが、雇用状況や給料に響かないとなれば、守らない奴など必ず出ます。ほっとけ!枯れ木もクズも馬鹿も山の賑わい。Faculty Developmentなんていっても、そんなものまともな教師ならば、勝手にさっさと「ひとりFD」やっています。学生による授業評価なんてしても、いい評価受けた教師の給料や研究費が増えるのならばいざしらず、アメリカの大学みたいにThe teacher of the yearとして選ばれるというのならばいざしらず、単に評価してデータにして製本して終わりでは、なんの意味もない。しょうもない。存在しなくても誰も困らない文部科学省が、自分の存在証明のために無理に無駄な仕事を捏造してやいのやいの言うので、しかたないからやっているというのが本当の理由らしいのですが、ほんとにあの役所って、ゴジラの足の裏でつぶすしかないな。日本愚民化計画の手先め。 ひたすら仕事増やして、その仕事には実質がなく、形骸化しているだけという状態を、まったく気にしない連中も多いのでしょうが、私は苦になるのですよ!!根本を変えずに、ジタバタやっても時間と労力の無駄でしょうが。いや、根本は変えられない、現実は難しい、できることからやるしかないと言うのでしょうが、ならば何もしないのが一番。効果はない!ですから。単に空回りして踊っている暇があったら、自分のお勉強でもなさったらいかがでしょうか?50代も後半になりとか60代の方々の多くは、研究者として花咲く可能性も消えたわけだし、あとは勤務先の大学の管理職でもやって大学行政ゴッコやるしか時間のつぶしようがないのかもしれないので、それ自体は勝手にやってくださればいいのですよ。どうぞ、好きにしてください。雇用形態も何も変えることもないまま、どうぞ改革ゴッコやっていてください。英語教育なんてものは、頻度とクラスサイズで決まりますので、それ以外の改革はみな無駄で無効ですが、どうぞしょうもないテキストでも作っていてください。いくら法学部の学生相手だからといって、一クラス50名の編成で、Oral Englishなんてやらせて、「少人数教育」なんて、パンフレットでよく嘘八百並べられるよなあ。いまどき、小学校だって一クラス40名もいないぞ。少子化の時代に大学だけが、クラスサイズが大きい。時代からずれまくっている。それでも、教育産業の詐欺の片棒をかつぐ心苦しさに耐えながら、空洞化と徒労感に耐えながら、末端の教師はやれる限りのことをやっている。私は、まるで旧日本帝国陸軍の二等兵だな。軍曹ぐらいにはなっているのかな。 大学関係者のみなさま、雇用形態の柔軟な大学関係者のみなさま、私を常勤の「傭兵」として採用してください。英語一般、英米文学系科目(小説も劇も詩も童謡もOK)、英米史、英米文化、アニメとか映画論、ジェンダー論とか、だいたいこんなところならば教えられます。最近は、英米の政治思想なんかも、しこしこ勉強してますんで、学部で教えるぐらいはギリギリ何とかなるかもしれません。何とかなるように努力します。私は、「この科目でないと駄目です!ずっと私はこれ担当でした!」なんて文句言いません。「僕は文学研究者ですから、そんな英会話なんて」なんて、アホほざきません。「アメリカ文学の詩が専門ですから、イギリスやカナダなんて・・・」なんて、しょうもないこと言いません。「学生がやる気ないから・・・」なんて客の悪口言いません。英文学科が消えても文句言いません。教える現場が欲しいだけなのです。現場に立っていたいだけなのです。 このままでいくと、私は大学を辞めるしかないなと追い詰められた気分です。何とか今まではごまかしてきましたが、ますます年々歳々、教授会とか委員会への嫌悪が高まってきました。ほとんど憎悪に変換しつつあります。うつ病になりそうであります。発疹が出そうです。神経症になりそうです。あ、もうなっているかもしれません。私みたいな教師が、教師を辞めるのはもったいないです。私は「お得な器用な教師」です。私を、教師としてだけ使ってください。正規軍ではなく、傭兵として使ってください。役にたちますよ、ほんと。この一文は、私の就職活動です。よろしくお願いいたします。ご連絡をお待ちしております。 |