アキラのランド節

ぼやきたい夜もある  [07/14/2008]


なんなんだよ、あの終わり方は。長野の小学校の先生が総理大臣になるっていう話だから面白いかなと思って期待したんだけど、キムタクが主役ってとこで、かなり嫌な予感がしていたんだけど、案の定だ。なんなんだよ、あれは。

初回見たところで、あ、Mr. Smith Goes to Washington(『スミス都に行く』)のパロディね、ってわかったけど、シナリオ書いている人間もプロデューサーも、あの映画のことわかっているのか?ついでに、これのパロディのLegally Blonde IIは観たのか?ポピュリズムの文脈でAll the King’s MenとかBulworthは観たのか?政治ドラマ制作するには、勉強不足、思考不足みたいなシナリオだった。日本映画の最近作ドキュメンタリーの『選挙』は観た形跡があるけど。

私が去年担当した講義「世界市民」を聴きに来ていたら、あんな気持ちが入っていないというか、キムチが入っていない冷麺みたいなドラマは作らずにすんだのに。せめて副島隆彦氏のお弟子さんたちがやっているウエッブサイト『学問道場』でもチェックしていたら、もうちょっと面白い(けれどアブナイ)展開が可能だったかもしれないのに。

だいたいが、キムタクとかジャニーズ系のお稚児さん系タレントは「小芝居」はできても、大向こう張って演説ぶつ政治家とか、そういう大柄な、いかにも「役者〜〜〜〜!!」という役は無理なの。だいたいが、今の日本の俳優は「小劇場出身系」が多いから嫌いなの。みんな三谷幸喜のこと褒めるけど、私は嫌いなの。小賢しい作品ばっかりだ。あそこの嫁さんは、わりと好きだが(って名前忘れたぞ)。

『CHANGE』最終回のコマーシャルなし切れ目なしのワン・カットの一人芝居(国民に向かって解散総選挙を伝えるテレビ演説)のシーンなんか、俳優ならば一世一代の名演技で頑張るはずなのに、なんだ、あの売れないホストの口説きみたいな演技は(って、ホストに口説かれたことないけど)。ぜ〜〜んぜ〜〜ん、台詞の意味わかってないんじゃないの?たとえ面白くもなんともない台詞ではあっても、そこは俳優の心意気と熱気で魂入れ込んじゃって、心打つものにしてしまえるってこともあるんではないの?ほんと、『水源』のアメリカ映画化作品『摩天楼』のクライマックスの裁判シーンのゲーリー・クーパーの空虚な長広舌並みに、派手にすべっていましたわ。

実力ないのに運がいいのは、力量ないのに大役させてもらえる運に恵まれてしまうのは、幸福なようで、結局は本人が恥かくことになるから怖いですね〜〜黒澤明の『乱』のヒロイン役やった女優さん(原田ナントカという・・・名前忘れた)とか、道化役のピーターも同じケースだったなあ。あ、そういうことって世間には多いかな。

もう、7年くらい前に『レッツゴー永田町』っていう国会議員秘書を主人公にしたドラマやっていたことがあって、私は楽しみに見ていたんだけど、なんか急に途中で終ってしまったみたいだったから、「あ〜〜日本って政治ドラマ駄目なんかなあ〜〜視聴率稼げないのかなあ〜〜」と残念に思ってから久しかったんで、今度はちょっと期待していたのに。主題歌がマドンナのMiles Awayだったのは、すっごく良かったけど。

アメリカには、ホワイトハウスを舞台にしたWest Wingとか、弁護士事務所もののDamage(これ一種の政治ドラマ)とかがある。イギリスならばPrime Suspectがある。これ刑事ものだけど社会派ドラマ政治ドラマでもある。主演のヘレン・ミレンがおばさんながら硬質なくせに生々しい色気があっていいですね〜〜この人、新旧のエリザベス女王を演じた「女王役者」ですが、エミー賞受賞のアメリカ単発ドラマThe Passion of Ayn Randでアイン・ランドを演じましたね〜〜(そうよ、ランドを演じる女優は一流の「女王役者」でないと)。中国にも韓国にも、骨太のオトナの政治ドラマがあるのにな。

だもんだから、日本人の才能あるチャーミングな男の子は日本のドラマなんかしかたないから、アメリカの連続SFテレビドラマHeroesに出演しちゃって、「世界を救う時空間ねじ曲げ超能力者ヒロ・ナカムラ」になっちゃったじゃないの。あのマシ・オカって男の子は、すっごくいい味出してるなあ。良質な日本人の素朴さ純真さをよく表現している。あのドラマのSeason IIのDVDセットはいつ販売されるのかな。

ともかく、コケてもいいから、下手な役者が主役でもいいから、日本のテレビドラマから「政治もの」の火を消さないで欲しいよ。生産し続けていれば、きっと傑作が生まれてくるよ。もう〜〜日本のテレビ界もアイン・ランドの小説を翻案するって気にならないのかなあ〜〜もう〜〜

ところで、山本モナが不倫していたからって、それが彼女の仕事に関係あるのか?なんで彼女が活動自粛しないといけないのか?モナちゃん降板要求電話が視聴者からテレビ局に殺到したそうだが、信じられん。そんな暇人がいるのか。後期高齢者医療問題のために被害妄想にかられたジジイ、いえ御年配の男性が、若く健康なタレントちゃんにむかついて、電話するのであろうか?「私だって、そういうことしてみたかったわ」と密かに思う「思い出の足りない=思い出を作る勇気のなかった」ババア、いえ御年配の女性が正義感という嫉妬に無自覚に狂って電話するのだろうか?こいつら、みんな振り込み詐欺に騙されろ。

関係ないでしょーが、他人の個人的な下半身の事情なんか。痔だろうが便秘だろうが不倫だろうが近親相姦だろうが男の趣味が悪かろうが、どうでもいいよ。タレントなんだから、爽やかな容姿していて眺めていて快適ならばOKなんだよ。痴漢や強姦やDVや子ども虐待や児童ポルノじゃあるまいし、両性の合意の上で起きた不倫ごときに騒ぐというのが日本の後進性よ。自分の男(女)が取られる場合は大騒ぎしても、他人の男(女)なんかどーでもいいわ。そう思うのが正常で成熟した視聴者の態度よん。

ところで、なんで最近のテレビ番組にクイズ番組とか常識テストとか歴史ミステリーとか、タレントの学歴とか知識を競い合うような「(知らなくても別に構わんような)教養バラエティ番組」が増えたのかな。

そのおかげで、あんまり売れてもいなかった漫才コンビの片方の京都大学法学部卒の漢字がすごく書ける男の子(といっても30代か)が人気者になっているでしょう。東大卒の若いハンサムな漫才師とかブスのグラドルなんかも「(知らなくても別に構わんような)教養バラエティ番組」のスターだったりするでしょう(なんで東大や京大まで出てテレビに出たがるの?下司じゃない?)。

私のゼミ生で今春卒業した男子学生が、東京のテレビ番組制作会社に就職したんだけれども、彼はイケ面だから俳優としてスカウトされるかもって私は勝手に期待(?)しているのだけど、その桃山学院大学OBによると、もう最近は、視聴者がすぐ電話で苦情を言ってくるんで、テレビ局が対処に困り、自粛して、「じゃあ、クイズ番組ならば文句言われないんじゃないの」ということで、教養バラエティ番組乱立という今の事態になったんだそうだ。

へえ〜〜苦情言うほどテレビに期待しているんだ・・・依存しているんだ・・・基本的には見なければ見ないですんでしまうのがテレビなんだし、NHKと違って無料で見ているんだから、わざわざ電話して苦情言うこともないんじゃないかと私は思うのであるが・・・

ところで、またところで、本日、勤務先から「ちゃんと健康診断受けましょう。メタボ腹に気をつけましょう」って内容のお知らせが来た。医療費が国庫財政を圧迫しているとかで政府がメタボ腹の社員をなんとかせいと企業に指令を出したでしょう。そのあおりですね〜〜

うっるさいよね〜〜〜ウエストが80センチ超えていようが、90センチ超えていようが、余計なお世話なんだよ。デブ=国家財政圧迫の元凶のひとつって発想が安易よ。

私が、コアリズムのDVD購入してラテンダンスの基礎運動みたいなダンスしているのは、メタボ腹解消のためじゃないよ。インストラクターのプロのラテン・ダンサーでもある女性二人がカッコいいし、スタイル抜群の美人で料理が上手な杉本彩さんご推薦だったし、黒木瞳を微妙に壊したみたいな趣の可愛いがデブ系の若い女性漫才師のウエストが85センチから65センチになったという実例に感動したからってこともあるけど、ともかく、楽しそうだったからでさ。

実際、これが楽しいのよ〜〜♪コアリズムは、「ゆる体操」と似ていて、体中の細胞が揺れる感じが快感なんだよね〜〜♪タンゴやメレンゲやサンバ踊れたらいいだろうな〜〜♪いつか踊れるようになりたいな、タンゴにサンバ。身のほど知らずな夢だなあ・・・いいじゃないの、夢見るくらいタダじゃ。

ともかく、デブではあるが食べたい、ダイエットはいや、運動はいや、楽しくないことはしたくないという正直で欲望の制御ができないワガママな奴は、コアリズムだって。DVD3枚組みで9900円。もとをとるぞ〜〜

だいたい、本格的デブなら、さっさと成人病になって、病気こじらせて死ぬからマシなんじゃないの?過剰な医療とか延命治療とか無駄に同じことを反復する検査とか副作用のある薬品処方とか、思慮のない類の医者に好きにされてしまう日本人の主体性のなさが問題なんじゃないの?

3日間じっと休養していればおさまるのに、すぐに医者とか薬に頼る類の国民の依存性が問題なんじゃないの?自分の健康を維持する責任は自分にあるんであって、政府でも医者でも学校でもないっていう常識を忘れている無用心さと無責任さが問題なんじゃないの?

ひょっとしたら、よってたかって「みんながたかることができる」現行の国民健康保険制度ってのが、今の時代には、まずくなっているのではないの?タダより高いものはないというか、地獄への道は善意からというか、税金公金はみんなで浪費すれば怖くない状態が長く続きすぎたというか。

主体性のない奴隷根性の人間って、健康と保身だけに気をつかって、若い頃から一生懸命に自分の頭脳と身体を使って生きてこなかったから、エネルギーが無駄に余っているものだから、無駄に無意味に長生きするんじゃないの?ついでに孤独の中で自分の生を見つめるという思考習慣もないから、他にすることもないくせに死をやたら恐れて、若い人々に延々と自分の世話や介護をさせて平気な残酷な老人になるんじゃないの?

いずれは、個人の権利として、人間の尊厳として、日本でも安楽死は合法化されると思うけれども、こうも国民が政府だの行政だの他人だのにお世話されたがるような幼稚な精神風土の国では、安楽死についての議論も始められませんわ。成熟した市民社会でないと、「個人の自由意志による選択による死」の意味と意義が理解されないもんね。

だいたい、タバコは有害だから一箱1000円ぐらいに高価にしたほうが国民の健康のためだとか言い合っているなんて、ほんとに暇だよな。余計なことしてんじゃないよ。私はタバコは吸わないが、喫煙の習慣はないほうがいとは思うが、禁煙ヒステリー魔女狩りの風潮は嫌いだ。人間は、本能からずれている生き物だから、前提としてちょっと狂っているんだから、ちょっとだけ狂った嗜好を持つのは正常で健康なことなのだ。私自身、「私は少し狂っている」という自覚があるよ。だからこそ、まっとうに生きていられるんだぞ。私は私の少量の狂気を気にしてないよ。ほんの少量の不合理を身のうちに飼いならしておかないと、合理的に生きられないんだぞ。

ピューリタンみたいに「いつでも、どこでも、誰にでも、清く、正しく、美しく、正直で」なんて、本気で信じて実践したら、うつ病になるぞ〜〜精神科医から副作用ばかりの抗うつ剤処方されて、ほんとうのサイコパスになるぞ〜〜「落ち込み」「メランコリー」なんかメソメソしながら半年やり過ごしていればおさまりますわ。

自分の中の生命力を信じないで、すぐに手っ取り早く他人に何とかしてもらおうと思う依存性が、病気を呼び寄せるんだぞ〜〜というか「病人」にされちゃうんだぞ〜〜他人に自分のこと決めさせるんじゃないよ〜〜みんながみんな、自分の頭の上のハエだけ追っていればいいのにね〜〜ほんと。

ああ・・・ぼやきたい夜もあるのよ・・・