アキラのランド節

佐々木一郎氏主宰「東京アイン・ランド読者会」始動!  [01/01/2010]


おめでとうございます!2009年よりも、はるかに激動不穏不況に襲いまくられるであろう2010年が明けました!

まあ、そんなもん、ナントカなります。実質的には、庶民には失うものなんかありません。この身ひとつが元気ならば、大丈夫!

2010年の皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます。本年も、「日本アイン・ランド研究会」を、よろしくお願い申し上げます。

名古屋では、大晦日の昼下がりから、チラホラと雪が降り始めて、夕陽がほんとうに綺麗でした。そして、2010年を迎える時には、ほぼ雪景色となっておりました。雪の元旦なんて、何年ぶりでしょうか。

私の元教え子の女性の夫君のチベット系中国人の方のお話によりますと、雪は浄化の意味があり、非常に縁起が良いそうです。雪が降ると、チベットの方々は、表に出て深呼吸をして、清浄で縁起のいい気を身体に取り込むそうです。ですから、元旦に雪というのは、実に実におめでたいのです。

私も雪の欠片(かけら)が吹き込んでくるベランダに出て、深呼吸をしました。台所から、ぐつぐつと煮込まれている(おせち料理代わりの)大量のおでんの匂いを感じながら深呼吸しました。幸福で平和なお正月の始まりでした。

さて、このウエッブサイトも、数え年で10歳になりました。足掛け10年間、このウエッブサイトは「日本アイン・ランド研究会」という名称を掲げてはきましたが、特に何をするわけでもなく、私の作文が掲載されるだけのものでした。

あらためて、はっきり言います。私のような普通のミーハーには、アイン・ランド研究とか、アイン・ランド伝播とか、そーいうことを充分できる能力は、ありません。キッパリ。何を自慢しているのか?

私は、たとえば、好きな男を他の女と取り合うという類の修羅場からは逃げるであろうことは確実な人間です。つまり、闘争心と執着心が薄い人間であります。とんちんかんに浮世離れした尼さん気質の人間です。しかし、アイン・ランドに関しては、誰にも譲る気はありません。能力不足でも、いいの!私は、この点においてのみ居直る。

私は、以下のように断言することを自分に許します。「お勉強」はできないが、本質を見抜くことができる程度には勘が良く、邪気がなく、セコクなく、マヌケではあるが歪んだところがなく、率直正直で、勝気ではないが気丈な、陽気ではあるが軽薄ではなく、いつだってどこだって軽佻浮薄な時流になんか合わせる気はサラサラない無骨な日本人こそ、つまり私こそが、アイン・ランド日本伝播に積極的に関与するのに、ふさわしい人間である、と。

でないと、アイン・ランドは、アメリカ合衆国においてと同じく、日本では汚されます。読みもしないで批判している無駄口たたきのクルクルパーが多いもの、この国も。瑣末で矮小で小賢しい計算ばかりしている馬鹿秀才が多いもの、この国も。

ユダヤ系ロシア人として20世紀の激動の歴史を生き抜いた秀才&女傑と、自分を比較するなんて、私は、とんでもない身の程しらずであります。でも、あえて、身の程知らずなことをやってしまおう。

私は、アイン・ランドより、ちょっとだけ「オトナ」です。成熟していると思う。だと思う。だから、私は、アイン・ランドに憧れたことなどありません。アイン・ランドを、心から愛しているだけです。その孤独な闘いの生涯に愛惜の念が、誰よりも深いだけです。

アイン・ランドは、言っていることとやっていることが違う。アンフェタミン(覚醒剤みたいなもん)に依存しつつ、人間の利性(理性)を祝福し続けました。私は、アイン・ランドのその大きな矛盾を愛しています。

アイン・ランドの最高傑作『水源』に横溢している、生き生きとした高揚感は、魂がまっすぐに青空に向かうような清々しさは、アイン・ランドの脳が薬物によって刺激され(もしくは麻痺され)たことの産物だったのかもしれないと思うことは、私にとっては辛い。しかし、アンフェタミンを摂取すれば、誰でも『水源』が書けるわけではありません。アイン・ランドの脳だからこそ、アンフェタミンが、名作創出へと作用したのです。ここは良しとしましょう。

さらに、どうということのない単なる男前の夫や弟子の中に英雄を幻視して、彼らを賛美し続けつつも、その男たちの立場になって考えることは決してできなかった、アイン・ランドのその少女趣味をも、私は愛しています。

男女問わず、25歳を相手にする50歳なんて幼稚に決まっています。いくら頭のいい男でも、すごい男前でも、25歳なんて、所詮はガキだ。なんか子ども虐待している気にならないか?オムツを替えてあげたくならないか?

しかし、50歳で真っ裸になって、25歳の男とやっちゃうという蛮勇はすごい!ホモ・サピエンスがゴリラと仲良くなるようなもんだ。その好奇心はすごい!そのスタミナはすごい!だいたいが、ほんとの恋愛なんて、蛮勇と好奇心と体力がなければ、できません。だから、ここも良しとしましょう。

さらに、さらに、誇大妄想的なくせに、自分の視野に他者をほんとうには入れることができなかったらしき、アイン・ランドのその永遠のガキ性を、私は愛しています。視野の広さと、視野狭窄が共存している、そのバランスの悪さを愛しています。

ガキのような情熱と集中力ってのは、エネルギーってのは、大きな欠落から噴出します。真空は許されんのよん。大きな空洞や欠落を満たし埋めるべく、エネルギーが発生します。え?最近、エネルギーが出ないって?無気力だって?捨てろ、捨てろ、捨てちまえ。喜んで捨てちまえ。捨てれば、力が出てきます。

アイン・ランドが、バランスの取れた円満な人格者ならば、毀誉褒貶にさらされない優等生ならば、読者の人生を変えてしまうような類の小説など書き上げることはできなかったでしょう。だから、これも、良しとしましょう。

アイン・ランドは、ほんと人間の塊だ!女の塊だ!作家の塊だ!なんか文句ある?

アイン・ランドの才能の稀有な激烈さと熱気は、この10年間近く、私を刺激し続けてくれました。ありがとう、アイン・ランド。

この人に出会っていなかったら、私の人生は全く違っていただろう、まことに貧しく狭いものであったろう・・・と心底思える出会いというものは、誰の人生にも幾つかは、あるでしょう。私の場合は、そのように思うことができるので、特に感謝をささげている人物が、6人います。

そのひとりが、アイン・ランドです。他の5人は、すべて直接に私の人生で出会った生身の方々です。会ったこともないのに、書いたものだけで、私が生涯の感謝をささげることができる人物は、アイン・ランドだけです。

ところで、私は、数年前に、勤務先がある和泉市の隣の市にある私立大学の大学院生の修士論文作成を手伝いました。その大学院生は、中国の朝鮮族の女性でした。私は、修士論文原稿の日本語の添削をしたりしました。

その後、彼女は、公立大学の博士課程に入学し、現在は、アルバイトと博士論文作成のための勉強を両立させることに忙しい日々を過ごしています。30歳過ぎの女性ですが、実年齢より、かなり若く見えます。最近、アルバイト先の京都大学出の24歳の男の子からコクられました。しっかり青春もしています。

その彼女は、アルバイトで「占い師」をしています。同じ朝鮮族の尼さんから一子相伝で学んだ「韓国四柱推命」によって、大阪や近辺在住の同胞のビジネスの相談などを受けています。商売にしているくらいだから、その占いはあたるのでしょう。

その彼女が、修士論文作成の手伝いをしてくれたからお礼をしたいということで、「センセイ、占ってあげます。何か悩みはありませんか?相性とかも占いますよ」と、言ってくれました。

四柱推命というのは、生まれたときの時間がわからないと正確に占うことができないと聞いたことがありますが、私は、自分が生まれた時間を知りません。それを知っているであろう親族は、すべて亡くなっています。「生まれた時間が不明でもいいの?」と彼女に聞いたら、それでもいいそうです。だいたいのことはわかるとのことです。

「う〜ん・・・別に悩みもないしなあ・・・国の将来とか、世界情勢はわかる?駄目?そうかあ・・・相性ねえ・・・すでに死んでいる人との相性もわかるの?」と、私は尋ねました。できますよ〜〜との返答。で、私はアイン・ランドの生年月日と自分の生年月日を彼女に告げました。

で、彼女は占ってくれました。そしたら、彼女が言いました。「センセイとこの人は、師匠と弟子の関係です。すっごく、いい相性です。センセイは、この人が生きているときに出会いたくて出会えなかった弟子です。この人がしたくてできなかったことを、やり残したことを、センセイがします」と。

こう言われたときの私の喜びをご想像ください。ほほほ。けけけ。くくく。

そんな言葉を、お前は信じているのかって?はい。私は、アイン・ランドが生きているときに出会うことができなかった弟子だと自分を勝手に認定しました。アイン・ランドがしたくてできなかったことが何か、私にはわかりません。でも、きっと、それを私はするでしょう。ははは。

まさか、月旅行とか・・・UFO乗船とか・・・

ほんとに、私っておめでたいよな。お正月でなくても、いつでもおめでたいよな。

やっと、本題に入ります。お正月はおめでたい。無事に健やかに新年を迎えることができることは、実におめでたい。さらに、本年は、アイン・ランド的におめでたいいことが始まります!

みなさま、アイン・ランド愛読者のみなさま、本年から「東京アイン・ランド読者会」が始まります!「読書会」ではありません。「読者会」ですよ!主宰者は佐々木一郎さんという方です。

佐々木一郎さんは、まだ30代のお若い方です。本ウエッブサイトの初期からの読者で、掲示板にもよく書き込んでくださる方です。「佐々木一郎の極意学的オブジェクティビズム考」というブログで、The Fountainheadのテキストの英文分析も書いておられます。その分析と解釈には、私など及びもつかない水準の高さと深さがあります。緻密な思考力がある方です。

佐々木さんは、まずは「アイン・ランドが好きな人たちの交流会」みたいな感じで、読者会を始めたいと希望しておられます。最初は、5人くらいでもいいから始めたいと希望しておられます。アイン・ランドが好きな人たちが集まって、アイン・ランドのどこが好きとか、アイン・ランドの作品のどこが好きかなどと楽しく語り合うことから始めたいと希望しておられます。

参加ご希望の方は、ご遠慮なく、上記のURLをチェックなさって、佐々木さんのメイル・アドレスまでご連絡ください。

まだ、会場も日程も未定であります。でも、「東京アイン・ランド読者会」が始動することは確実です。

私は、「年齢制限はありますか?」と佐々木さんに問い合わせました。あ・・・若い人たちだけで、やりたいのかも・・・と僻(ひが)んだからです。誰でもOKだそうです。ならば、もちろん、私も参加します!うるさくしないから、まぜておくんなまし。

嬉しいことであります。私が何も始めずに足踏みしていると、若い方が、主体的に「読者会」を始動してくださる。佐々木さん、ありがとうございます。

この10年間で、『水源』も、『肩をすくめるアトラス』も『利己主義という気概』も出版されました。そろそろ、アイン・ランド読者の輪が、インターネットという見えない大陸の中だけではなく、この日本列島で、実体的に結ばれ、広がる時期になったのかもしれません。おお〜〜〜感動。

みなさま、佐々木一郎さん主宰の「東京アイン・ランド読者会」で、お会いいたしましょう!願わくば 花の下にて 我ら会わん アイン・ランドの言(こと)の葉さやげ!

なんて、西行と茨木のり子さんからパクっていないで、さっさと年賀状書けよ〜〜たまっているメイルの返信を書けよ〜〜休暇明けに提出しなければならない書類の作成をしろよ〜〜元旦から、仕事から逃げてるんじゃないよ〜〜さぼってんじゃないよ〜〜!!

と、今日も、もうひとりの私が私を苛めます。はいはい・・・