アキラのランド節

「カネ」に関する女性必読の書3冊(その1)  [04/01/2010]


本日のテーマは、「カネ」に関する、私が女性に読んでもらいたいし、私自身読んで非常に得るものがあったなあ〜〜と思う3冊に関して書きます。他にも、「素晴らしい絵本2冊」とか、紹介したい本は、いくらでもあるのですが、切実な問題のほうから書いておきたいと思います。

なにしろ、明日から、また怒涛の労働が始まります。今のうちに大事なことはドンドン書いておきたいと思います。明日の命は知れません。

私は、この本を特に若い女性に読んでおいてもらいたいと思いますが、かといって、私自身は、必ずしも、この本が薦めるような「賢い金銭管理法」を実施してきたわけではありません。なぜならば、私は馬鹿ですし、ついでに「馬鹿を、やってみないと面白くない。馬鹿な行いは、ちゃんと自分もやってみてこそ、馬鹿にできるんじゃ〜〜」と思う人間ですから。

しかし、この本の教えは、この本を読んで以来、いつも私の脳に「検閲」として機能してくれています。それが大事なのですよ。この線を越えるとまずいぞ〜〜というガイドラインを脳に刻み込んでおけば、馬鹿をやっていても、やり続けても、馬鹿状態から撤退すべき最後の機会を掴むことができます。それぐらい、この本にはインパクトがあると、私は思います。のわりには、まっとうに評価されてないのではないかなあ・・・これらの本は。でも、ない?

もちろん、これらの本は、男性にも読んでいただきたいと思います。そうですね、最近の若い男性は、女の子なみに甘やかされて育っている(=経済的な責任を持つとはどういうことかについて教えられていない)ので、男性も読んだほうがいいかもしれません。

よく、人生を無事に生き抜く上で警戒すべき問題は、「カネとセックス」だと言われます。しかし、セックスのほうは、実際は、どうでもいいようなことです。上手くいけば、おめでとうございます〜〜よかったね〜〜お励みなされ〜〜ただし避妊は断固として要求しなさいよ〜〜♪と、無関心に祝福するだけのことです(あ、この文は基本的には女性向けですから)。

セックス関係で、失敗したとしても、やり直しできます。お風呂で、よおく洗えばOKです。桃山学院大学のOGさんでも、卒業後に尊敬できて好きな人にめぐり会えたのですが、「センセイ、3年生のときに、特に好きでもないのと、ついやっちゃったけど、あ〜〜もったいなかった!あんな程度のヤツと、やっちゃって!」と悔いる人がいます。

だから、近場の男なんか相手にするな、つまらん男にもててもしかたないのだ、3年間ぐらい冷酷に観察するぐらいの構えでいないと駄目だって言ったでしょーが・・・と言いたいのを我慢して、私は、「そんなもんフィールド・ワークだったんだって!どうでもいいって!黙っていれば起きなかったのと同じだって!」と、明るく答えます。ははは。

セックス関係の失敗で、やり直しができないという場合は、どういう場合かといいますと、たとえば、付き合ったり同棲したり結婚した男(女)が暴力男(女)で、殺されちゃった〜〜というケースです。

なんで殺されてしまったかといえば、逃げなかったからです。なんで逃げなかったかといえば、カネがなかったからです。もしくは、カネを出せば逃げ切れたところを、ケチったからです。カネの使い方を間違えたからです。

名古屋のキリスト教系女子大の(今は消えた)短大部に勤務していたときの教え子で、殺人罪で刑務所に入った女性がいます。もう15年近く前に起きた事件です。(被害者となった)男性の婚約不履行が原因でした。この男性は、妊娠した彼女に結婚を迫られて婚約したものの、ただ性欲に負けただけで、彼女のことをほんとに好きだったわけではありませんでした。日を追うにつれて、この男性はそのことに気がついてしまってパニックになります。カネを惜しんで、シロウトの女の子を性欲の処理に使用したという貧乏人根性が、この男性の悲劇の発端でした。

で、この男性は母親と、彼女の自宅に謝りに来て、彼女にワイワイと責められてしまいました。この男性は、「君のためになんか、人生を諦めるわけにはいかないんだ!」と正直に口走ってしまいました。頭に来た彼女は、この男性を包丁で刺しました。刺しどころが悪くて、この男性は死亡しました。

この男性は、「君のためになんか、人生を諦めるわけにはいかないんだ!」と一丁前に叫ぶ前に、彼女にだって諦められない人生がある、ということに思い至るべきでした。そうすれば、モノの言い方も変わっていたでしょう。自分のことしか見えないという馬鹿さ加減は、若さのせいなのか、DNAが劣悪なのか、親の育て方が悪かったのか。

だから、この事件は、親にも責任があります。この被害者の男性も、彼のお母さんも、いっしょに彼女の自宅に謝罪に出かけたくらいですから、誠実さは持っていたと思います。しかし、誠実な謝罪だけでは足りません。そーいう学級会みたいな発想をしてはいけません。プロミスで借金してでもいいから、現金を積んで、ひたすら頭を下げるべきでした。婚約不履行された女性の立場からすれば、「同情するならカネをくれ」です。他に、どんな償い法があるでしょーか?

私が、この男性の母親ならば、200万円くらい用意して、息子とともに土下座して、「解決」した後に、息子をボコボコに殴って、蹴り上げて、借用証書を書かせて、毎月、きっちり返済させます。もしくは追放。馬鹿息子は、老後の安定の邪魔になりますからね、早いところ駆除するに限ります。老いた親の年金に寄生するのは、息子に多いそうですからね。

それはさておき、このお母さんは、なぜそれをしなかったのでしょうか。それは、息子の不始末の解決をするカネがなかったからです。もしくは、亭主がカネを出してくれなかったからです。もしくは、亭主も甲斐性がなく、カネの出しようがなかったからです。

だいたい、多くの場合、情緒的でない適切有効な解決法、つまり金銭で償うという冷静な方法を提示できるのは、男である父親のはずです。社会の第一線で働く男は、いわゆる「女・子ども」では思いつかない対処法を知っています(の、はずです)。

しかし、私の教え子のケースの場合、(口だけの)謝罪のためにやって来た男性に同行したのは母親だけであり、父親は来ませんでした。つまり、この男性の父親は、こういう場合の対処法を知り、責任をもって実践するだけの「おとなの男」ではなかったということです。どうせ、家庭内のみならず、職場でも無能で、ろくなもんじゃなかったのだろう、この父親。だから、大事な長男を、女に簡単に殺されるようなアホで非力な男に育ててしまったのです。

大(だい)の男がきちんと謝罪に行けば、その誠意と姿勢は、馬鹿息子と馬鹿息子を甘やかした馬鹿母親だけで出かけるより、はるかに相手方に通じたと思うのですが。プツンと切れた女の子が包丁持って襲来してきても、男ふたりならば、容易に防ぐこともできたでしょう。

そもそも、彼女の自宅ではなく、どこかのシティ・ホテルのラウンジとかで話し合えばよかったのに。容易に手が伸ばせる凶器がない場所であり、かつ他人の眼があるところならば、そうそう簡単に頭に血が上ることにもなりません。

ともかく、冷静なオトナが、身も蓋もなく現実的なオトナが、関係者の中に一人でもいれば、こんな事件は起きなかったでしょう。誰も死なず、誰も刑務所に入らずにすんだのです。かえすがえすも、ほんとうに残念なことでした。

つまり、要するに、カネが問題なのです。正確に言えば、「カネの扱い方」が問題なのです。セックスの問題は、カネがあれば解決するのです。だから、この世を生き抜く上で厄介なのは、カネの問題だけ、なのです。はい。

で、私は以下の本を必読書として推薦いたします。この本に書かれていることを実行することを、とにもかくにも闇雲に奨める気までは、ありません。ただ、「これがこの世の現実ですよ〜〜私たちがマスゴミによって知らされてきたアメリカ人ではない<草の根のアメリカ人>は、すごく堅実で勤勉で慎ましくて、昔の日本人のようにきちんと生きているのだよ〜〜ましてや(自分は払わない)税金で食わせてもらおうなんて寄生虫根性があっては、絶対にカネから自由になれないみたいだよ〜〜」と、言いたいだけなのであります。

まず、トマス・J・スタンリー(Thomas J. Stanley:)&ウイリアム・D・ダンコ(William D. Danko)の著『となりの億万長者---成功を生む7つの法則』(斎藤聖美訳、早川書房、1997)です。原題は、The Millionaire Next Door :The Surprising Secrets of America’s Wealthy (Simon&Achuster,1996)です。

今頃?

はい、今頃です。確かに、この本は日本でも翻訳本出版以来ずっとロングセラーですから、すでにお読みになった方も沢山いらっしゃるでしょう。そこに書かれた億万長者の生き方をすでに、真似して実践していらっしゃる方も多いでしょう。

しかし、今だからこそ、です。出版された当時よりも、今の方が、アメリカ人にとってと同じく、日本人にとっても、この本の中身の価値はより増していると思うのであります。

題名だけ見ると、「どうせ、ユダヤの大富豪がドウタラコウタラみたいな金持ちになろう〜〜みたいな的なアホ自己啓発本だろ〜〜」と、思われかねません。しかし、中身は、実にまっとうで真面目な本です。凡百の自己啓発本にありがちな浮かれた軽薄さ&荒唐無稽さは、みじんもありません。

(元)大学教授のスンタンリー氏とダンコ氏による、アメリカの実際の億万長者たちの調査報告書が、この本です。調査結果は、スタンリー氏とダンコ氏の予測を激しく裏切るものでした。ですから、読者もびっくりしました。

こんな本が多くの人々に読まれれば、アメリカの自動車産業、外食産業、ファッション産業、住宅産業、レジャー産業、銀行、クレジット・カード会社などにとって、かなりの脅威になると思いますが、「発禁」にもならなかったのは、ここで描かれている億万長者になる方法を素直に実践するほど、大方の人間は聡明ではないよ〜〜ということなのでしょうか。

どーいうことが書いてあるかといいますと、ざっくりと、フジモリ流にまとめてみます。ならば、本体の本を読まないでいいな〜〜と思ったあなた!駄目ですよ、ちゃんと本体を読んでください。豊富な実例をちゃんと読んでください。実例、生身の人間の体験談が面白いのですから!

では、『となりの億万長者』の要点記述始め。

(1)アメリカの億万長者のほとんどは、男女問わず、自力で財産を築いた。彼らや彼女らの半分近くは、自分で稼いで学資を出したり、奨学金(student loan)を返済した。

(2)収入額と蓄財額は、必ずしも比例しない。収入は低くても「蓄財優等生」(prodigious accumulator of wealth :PAW)がいる。収入は高くとも「蓄財劣等生」(under accumulator of wealth: UAW)がいる。高学歴の高収入の医師とか弁護士とか、大手企業のエグゼクティヴなどは、意外と蓄財劣等生。ステイタスを顧客に示すために、服装や持ち物や自動車や住居に威を張らねばならないから。同じ職種の仲間同士の競争もあるから。ブルーカラーで低学歴で自制心があるほうが、虚栄のためにカネを使わないので、億万長者になりやすい。ほんと。

(3)蓄財のまっとうで合法的な方法は、いくらでもあるが、まずは勤勉に働き、収入以上にカネを使わないこと。支出を減らすこと。これに尽きる。勤勉と倹約と自制。常に、収入以下の暮らしをすること。それ以外に富への道はなし。Frugal, Frugal., Frugal!

(4)アメリカの億万長者のほとんどは、収入が増えても生活水準を上げない。高級住宅街に住まない。家も小さくていい。広い家なんか維持費がかかるだけ。別荘なんか無用。自動車は丈夫なトヨタ。時計はセイコー。衣料品もブランド物ではなく、質のいい大衆向け製品。スーツは400ドルまで。靴は150ドル(1996年現在)まで。高級レストランで食事しない。安くてうまい店を探すか、料理を趣味にする。余暇活動もカネのかかることはしない。他人に金持ちであると思われるような生活をしない。

(5)だけど、寄付はする。収入の最低10パーセントは寄付している億万長者が多い。それも収入が低い頃から、寄付をする割合を定めて、残りの収入以内で暮らしを立てることを習慣としてきた人が多い。

(6)アメリカの億万長者のほとんどは、カネの心配から解放されて「自由でいたい」ので、蓄財に励んだ。欲しいものを買いたいから金持ちになりたかったわけではなく、自分で自分の面倒をきちんと見て、子どもの学費や親の介護費用の捻出にクヨクヨしないですむために金持ちになりたかった。

(7)アメリカの億万長者のほとんどのうち、かなりの数の人々が、家庭で堅実な金銭教育を受けた。彼らや彼女たちの親は、愛情を持って、働いてカネを得ることの尊さと、そのカネを有効に使うことを子どもに教えた。家計を明らかにして、子どもの前でいい格好はしなかった。カネができても子どもにさとらせなかった。公立学校でも、勉強さえすればいい大学に行けるのだから、私立になんか行かせない。

(8)アメリカの億万長者のなかには、駄目親に育てられたからこそ、親が反面教師となり、金銭の扱い方を独学で学んだ人々も少なくない。収入をくだらないことに浪費し、子どもの学費も出せない親に見切りをつけて、高校時代から独立の準備をしたという億万長者は女性に多い。浪費家の父に翻弄されたままの経済的に無力な母を見て育ったので、ああはなりたくない・・・と、自立した女性になることを幼い頃から目指した。

(9)いくら勤勉に働いて現金収入を得ても、所得税をかけられて政府から取られるだけなので、ある程度蓄財したら、税金をかけられない形態に財産を変えなければならない。そのための勉強は他人に任せずに、本気で自分で粘って研究した。投資会社や銀行や株屋のセールスの口車に乗らなかった。自己責任!

(10)アメリカの億万長者のほとんどは、離婚を繰り返さず、半分以上は初婚の相手と添い遂げる。人間関係の「出入り」が多いとカネがかかる。離婚すると慰謝料とられる。財産分与とか転居とかもしないといけなくなる。その他の離婚に関わるストレスへの対処で、精神分析医にかからなければならないかも。「ロマンス」に「冒険」に「波乱万丈」は、カネがかかる。平々凡々が一番経済的。ただし、浪費家の亭主や女房とは、サッサと縁を切るべし。

などなど・・・あと、まだいろいろあるのですが、『となりの億万長者』に書かれたアメリカのほんとの億万長者の調査結果は、このようなものであります。

いや〜〜実に、身も蓋もなくリアルな結果ですね〜〜この本に描かれたアメリカの億万長者たちって、全然、「アメリカ人っぽく」ありません。ちょっと前の堅実な日本人と、とてもよく似ています。アメリカの中西部の小さな町あたりで、ふつーに暮らしている人々の中に紛れている「となりの億万長者」って、なにやら、すっごく懐かしい感じのする人々です。

実は、アメリカの草の根の人々って、こういう人々なのかもしれません。

マスゴミ報道とか、ハリウッドのセレブの生活報道とかを見ますと、リーマン・ショック前のアメリカ人は、みんな浮かれてクレジット・カードで買い物しまくって、無理なローン組んで高級自動車だの、でっかい住宅だの、モーターボートだの、購入しているように見えました。住宅ローンを返済したら、その返済分を担保にして、またもカネ借りて買いまくるという、能天気な人々に見えました。

ジャンク・フード大量に食って、ビールやコーラがぶ飲みして、巨大なアイスクリームやケーキ食い散らかして、デブりまくって、糖尿病になって、健康管理もせずに、公的健康保険がないのはけしからん!とギャアギャア言っている愚民が多いように見えました。

それは、アメリカ人は、このように能天気に生きていいのだよ〜〜アメリカは世界の帝国だから、享楽的に生きていいんだよ〜〜と示したほうが、なにかと都合のいい「勢力」の垂れ流す幻想だったのでしょう。各種カネ浪費させ産業とか、健康に悪い成分ばかり的食品産業とか・・・

しかし、草の根の日本人の私が、大いに共感し尊敬できる、地に足の着いた、まっとうな、泥臭いが、健全なアメリカ人が、『となりの億万長者』には、描かれていました。彼らや彼女たちこそが、リバータリアンと呼ぶにふさわしい人々かもしれません。

次に、お薦めするのは、この本の続編にあたる、同じくスタンリー氏による調査報告『女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則---ここまでわかった!億万長者の秘密』(日本経済新聞社.2005)です。原題は、Millionaire Women Next Door; The Many Journey of Successful American Businesswomen(Andrews McMeel Publishing.2004)です。

この本は、億万長者になった女性の、女性ならではの特徴を教えてくれます。まあ、これらの本が示す調査結果が、事実なのか、調査法に偏りがあったのか、ないのか、そーいうことは、私には分かりません。しかし、多分、これらの本は正直だと思います。ほんとうのことを書いていると思います。

なぜならば、「億万長者になるような女性」は、女に寄生することに慣れた、馬鹿母親から甘やかされた男に、ひっかかり易くて、最初の男(夫)はカスだったという例が多い・・・と、書かれているからです。

いや〜〜これも、身も蓋もなく事実っぽい〜〜! ほら、勤勉で、有能で、稼ぎがよくて、蓄財や投資方法の勉強も怠らなくて、前向きな女性って、ついつい自信過剰で、無自覚に他人をコントロールもしたがって、「私が、この人を支えてあげなきゃ!」みたいに思い込んで、そんな義務もないのに駄目男の面倒を見てしまう・・・という例は、みなさんのお友だちや、親族のなかにも、容易に見つけることができるのではないでしょうか?

そうか、私は、無能で馬鹿なんで、今まで男に騙されずにすんだのか・・・ははは。そりゃ、私を騙しても何も出ない。「男のくせに、なにを甘ったれてんだ、馬鹿!」と、罵倒されるだけです。ほほほ。

それから、女性の億万長者にある、もうひとつの大きな特徴が、あります。男性の億万長者に比較すると、女性は、福祉施設や地域コミュニティのNPOとかに寄付ししたり、親類縁者の援助にカネを出す割合が、非常に高いそうです。

生前に用意しておく遺言書にも、自分の周りの人々、自分に親切にしてくれた人々に満遍なく、少しずつ遺産を分けておくといった手筈(はず)を整えておくのも、女性の億万長者に多いそうです。

やはり、女性は心優しいですね〜〜心配りが細やかですね〜〜母性ですね〜〜生き物として霊的に高いですね〜〜スピリッチュアルですね〜〜♪

あ、もちろん、この億万長者というのは、自力でなった人であって、亭主の遺産とか親の遺産とかもらった人のことではありません。ご主人の遺産をもらって億万長者になった女性は、財産の管理法とか投資法とかを知らないので、ご主人の死後は、投資会社や銀行や株屋の、いいカモになりやすいそうです。

どうも男性には気が小さいのが多いらしいからなのか、死後すらも奥さんをコントロールしたいという冷酷でセコイ支配欲のなせる業なのか、生前中に、ちゃんと奥さんに金銭の管理教育をしないまま死ぬご主人が多いようです。もしくは、絶対に女房に相談しないご主人も多いようです。まあ、何でも「あなた任せ」にして、自分自身できちんと勉強しなかった奥さんも、マヌケですが。

もしくは、ご主人の遺産をもらって億万長者になった女性は、子どもや孫にたかられて、「私の取り分が減るから、おばあちゃんの介護は、この程度のものでいい」と判断する親族に後見人になられてしまって、自分のカネを、自分の老後の充実に使えないそうです。これも、身も蓋もなくリアルですね〜〜ありえそう〜〜

アメリカの家庭では、子どもが大学に行く頃には家を出て経済的にも自立するとか、私たちは耳にしてきましたが、いつまでも親に寄生するような子どもは、アメリカにもいっぱいいるのです。大事にして甘やかして、経済的に援助した子どもほど、親の老後の面倒は見ない・・・親が残すカネにしか関心がない・・・という風景は、日本でも、よく見る類のものですね〜〜

私の親類にも、甘やかしてカネかけた息子ではなく、その息子の犠牲となって高等教育を受けることを諦めさせた娘たちに面倒を見てもらっている老人がいます。いつまでも生きているよなあ〜〜あのオバ(ア)サン・・・

成人後も、所帯を持った後も、あまりにカネを無心してくるので、親が強く抗議したら、孫と会わせず、老人を孤立に追いつめる類の行動に出る、「甘やかされた駄目ガキの成れの果ての男女」というのは、アメリカにも多いようであります。

人間は、弱いものでもあるので、親のカネがあてにできるのならば、自分で稼がずに、あてにしてしまうものであるので、お子さんを、花も実もある独立自尊の億万長者にしたいとお考えならば、お子さんが学生時代を終えたら、財産持って失踪するのが、長い眼で見たら、あなたのお子さんにとってはいいのかもしれません。ははは。

私の亡き父は、1977年の私が24歳の大学院生のときに、「今後は、我々の老後の生活のこともある。子どもの世話になる気はないから、これからは子どもにカネをかけるわけにはいかない。1980年がタイム・リミットである。遅くとも、1980年には結婚するなり、自立するなりして、家から出て行くこと」と、はっきり私に申し渡しました。

いやあ、はっきり言ってもらってよかったです。でないと、私のような馬鹿は、博士課程を終えた後も、いつまでも非常勤講師のまま、就職活動も必死でせず、とりあえず就職するまで食わせてくれる男確保にも本気にならず、家も出ず、親に寄生したままになっていたかもしれません。そういう状態のままの先輩や同輩や後輩も少なくなかったですからね・・・

みなさま、『となりの億万長者』と『女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則』にせは、しょうもない小説を読むよりも、くだらない映画を見るよりも、はるかに人生について教えてくれます!また、アメリカの真の姿の断面(real aspects of life)を見せてくれます!

アイン・ランドの『水源』と『肩をすくめるアトラス』を読んで、私は、草の根のアメリカ人の魂に触れたような気がしました。『となりの億万長者』と『女性ミリオネアが教えるお金と人生の法則』は、アイン・ランドの思想を、意図的にせよ、無意識にせよ、実践した人々の人生を見せてくれているようです。これぞ、self-relianceです。自助の精神です。ふつーの地味なハワード・ロークたちです。地上の星です。

こういうアメリカ人たちは、外国に関心ないし、生きるのに忙しくて小説なんか読まないし、American Idolみたいな視聴者参加番組とかにも出ないから、外国人には見えない人々なのですよね〜〜でも、このような人々が、アメリカを支えているのですよ。

さて、いよいよ、(特に)女性にすすめたいカネにまつわる3冊の本の最後の一冊です。残念ながら、これは、すでに絶版になっているかもしれません。大屋政子(おおや・まさこ:1920-1999)さんの『女は度胸---女は泣いたらあきまへん!』(KKロングセラーズ、1987)です。英語の副題は、From Now Start, Never too Late!であります。

この女性は、傑作ですよ〜〜♪ まさに「女傑」です。そのスケールの大きな女傑ぶりは、今に至るまで、きちんと正当に評価されていないようです。その不遇さは、田中角栄氏に匹敵します。

でも、ちょっと書き疲れました。明日は、朝が早いです。あとは続編に書きます。