アキラのランド節 |
---|
台北に行ってきた [03/15/2012]ちゃんと、きちんと、これからは「アキラのランド節」を書くと宣言しながら、また、あれから一か月以上が過ぎてしまった。 なんで書けないかねえ?? いつも忙しくて、いつもくたびれていて、いつもへばっていて、なんなんかねえ、この状態。来年は還暦だもん、そんなもんか。大病にはならないから、いいか。 今は、花粉症に攻撃されております。年下の友人に教えてもらった「べにふうき」という緑茶と、「青みかんの奇跡」というサプルメントで対抗している。 医者には行かない。薬のまない。私は、崎谷博征(さきたに・ひろゆき)氏の『医療ビジネスの闇---“病気産生”による経済支配の実態』(学研パブリッシング、2012)を読んだからね。 この方のお書きになった『患者見殺し医療改革のペテン---「年金崩壊」の次は「医療崩」』(光文社、2004)も、読んだからね。 安保徹氏の『薬をやめると病気は治る』(マキノ出版、2004)も、読むべし!!で、ございます。病気と、その症状と、その症状が治まっていくメカニズムが明らかにされております。私は、具合が悪くなったら、ひたすらへばっているだけです。薬飲まない。医者行かない。崎谷先生や、安保先生みたいな立派なお医者さんに出会えることは、まずないもんね。 みなさん・・・・これらの崎谷氏の著作は、切実なる自己防衛策として、お読みになったほうがいいですよ〜〜〜安保氏の御本も読んだ方がいいですよ〜〜〜知識は力だ!! そりゃ、安保氏の見解についても、いろいろ批判はある。しかし、勇気ある実践活動に対しては、必ず嫌がらせ&批判はつきものだ。私は、崎谷氏と安保氏を信じる。 ところで、2月29日から3月5日まで、台湾は台北に行っていた。6名の集団旅行。男性4名&女性2名。 観光旅行じゃないです。私は、観光とグルメと買い物のためにだけ海外旅行して、心底楽しいと思えるような階級に属していない。そーいう旅行をすると、退廃的で、なんか空しいわああああ〜〜〜と感じてしまう貧乏性である。プロレタリアートである。 実は、この短い旅は、「21世紀の安全保障」というご大層な(?)名称を持つ共同研究プロジェクトのフィールド・ワークのひとつだった。2010年3月末まで勤務していた桃山学院大学の共同研究プロジェクトに、いまだに私も混ぜていただいている。その台北研修に参加したのだ。 桃山学院大学には、国会議員の政策秘書も務めたことがある安全保障専門の研究者がいる。松村昌廣氏(1963-)である。この方が発信してきた最新の英文記事”Japan’s Revenge of the Mandarins”は、こちらで読むことができます→→http://www.project-syndicate.org/commentary/matsumura8/English この松村氏がお書きになった記事の配信元のproject-syndicateつーのは、日本の地方新聞に記事を配信というか売りまくる共同通信社のグローバル版らしい。ここの記事を、世界中の新聞や雑誌が購入して掲載するらしい。松村氏がお書きになった記事で、Guardianに載ったものが、Japan Timesにも掲載されるというのは、そーいうことらしい。 この松村氏の人脈と語学力(英語も中国語も堪能です)を含めたタフな有能さのおかげで、私は、台北の国立政治大学(National Chengchi University)の中にあるシンクタンク「国際関係研究センター」(Institute of International Relations)と「安全研究センター」(Center for Security Studies)を訪問することができた。松村さん、ありがとうございます。 頭のいい奴とつきあうと、得るものが多いよ。ほんと。 ただただ、日本人研究者が訪問しに来たでは、申し訳ないし、単なる表敬訪問の相手しているほど、みなさん暇じゃない。なにか「お土産」が必要です。ですから、松村氏が、日本の安全保障問題の現状について、各シンクタンクにおいて、プレゼンティションをなさった。訪問面談の内容は、そのプレゼンティションを聴いて、その内容をめぐって意見交換するというものだった。 つまり、松村氏は、1日に2回も3回も、英語でプレゼンティションしなければならなかった。ぶっちゃけていえば、松村氏は、その後の英語の質疑応答&議論にも、孤軍奮闘しなければならなかった。ずっと、英語の議論しっぱなしであった。さぞ、お疲れであったことだろう。私は、日本人が、あれだけの英語能力を駆使して議論している現場を、初めて直接に見た。うわあ・・・ なにしろ、この「21世紀の安全保障」研究プロジェクトに、安全保障の専門家は、松村氏以外、誰もいない。あとのメンバーは政治思想が専門である。もとアメリカ文学やっていました〜〜今は、よくわかりません・・・みたいな、私みたいな、まともな学位もない「いい加減な奴」まで、混じっている。 これらのメンバーは、英語を読むことには慣れているが、聴きとることはかろうじてできても、丁々発止と話す方は・・・・のメンバーばかりであった・・・・つまり、他のメンバーは、松村氏の奮戦に援護射撃しようもないのであった・・・・ 特に、私の英語は、高度な議論仕様ではなく、どうでもいい世間話仕様でしかないです。日本の英語の先生の英語力って、そんなもんですって。ああいう高度な議論の現場では、なんも役にたちません・・・ ・・・って、言っていいのか? 開き直っている場合か? たぶん、いけないね。 ともあれ、松村氏以外のメンバーは、いったい何をしに来たんかね??と訪問先の方々は、内心、いぶかしんだかもしれない。 が、そんなことは、いいのだよ。どう思われても、いいのだよ。こーいう貴重な機会は逃せない!!と・・・私を含めた、他のメンバーは、そう思っていた(と、思う)。 というわけで、どういうわけだかわかりませんが、ともかく、私は、台北の国立政治大学(National Chengchi University)の中にあるシンクタンク「国際関係研究センター」(Institute of International Relations)と「安全研究センター」(Center for Security Studies)のスタッフの方々の実物を、じっと、じろじろ観察することができた。 そのシンクタンクに、外国(インド、アメリカ、いろいろ)から来ている研究員や大学院生の方々と、少しではあるがお話しすることもできた。インドから来た研究員の方とは、アイン・ランドのことで、話が弾んだ。むふふ。 この国立政治大学つーのは、国民党(蒋介石政権)が創立したものであるので、当然に、国民党寄りである。民進党みたいに、「台湾は独立国家だあ〜〜〜」なんてことは、言わない。 そもそも、国民党の人々は、自分たちのことを「台湾人」だと思っていない。辛亥革命で孫文が建国した「中華民国」こそが、正統であり、自分たちこそが、その末裔であり、「正統中国人とは、我々のことだ」と、思っている。共産党政権の中華人民共和国は、いわゆる「暫定政権」であると思っている。あんなもん、育ちの悪い連中が運営しとんじゃ・・・いずれは、我々が・・・と思っている。 ではあるが、台湾独立を阻みたい共産党政権の中華人民共和国から、国民党は、資金援助をかなり受けている。敵の敵は、友ですがな。 もちろん、この国立政治大学つーのも、国民党系国立大学なんだから、共産党政権の中華人民共和国から資金援助されている政府から、資金援助されている。 が、私たちが訪問した国立政治大学の中にあるシンクタンクのひとつ「安全研究センター」(Center for Security Studies)の創設に資金援助したのは、アメリカのマッカーサー財団(The MacArthur Foundation)である。だから、このシンクタンクの正式英語名称は、The MacArthur Center for Security Studies=MCSSである。 共産党政権の中華人民共和国からも、その中華人民共和国と覇を競うアメリカからもカネもらっているというところが、なかなかタフです、国立政治大学。 そのほかにも、同じく国民党系列のシンクタンクの「中華民国高等政策研究協会」(Chinese Council of Advanced Policy Studies=CAPS)にもうかがうことができた。 国民党系列で、かつ上海資本の「中天電視公司」(CTI Television Incorporation)にも訪問することができた。そこのスタッフの方々のお話もうかがった。テレビ局の報道部門も見学させていただいた。報道部門の企画部長とか、政治番組の人気有名インテリ&イケメン・キャスターの方々にもお会いできた。 「時報週刊」(China Times Weekly)という雑誌の主任編集者(Chief of Editor)の方ともお会いすることができた。 1月に行われた総裁選挙で、馬英九(国民党主席)氏が総統に選ばれたから、国民党系の人々とばかり会ったわけではないですよ。ちゃんと、民進党系の方々のお話もうかがいましたよ。 総裁選挙で敗れた民進党の元党首だった蔡英文氏の身近にいたという方々からも、総裁選の裏話(といっても、外国人に話せる程度のもんでしょうが)を、お聞きした。 要するに、国民党総裁が選ばれるように仕組まれていたのだ、メディアの報道も、投票日設定も・・・ということです。 お会いしてお話しをうかがった方々は、みなさん、台湾の名門大学を卒業なさって、その後は、欧米の、特にアメリカの名門大学で学んだ方ばかりであった。多くは、大学院で修士号や博士号を取得している方ばかりであった。だから、コミュニケーションは、すべて英語だった。みなさん、非常に英語が達者である。台湾のインテリさんたちの英語力はすごい。 私は、自分の英語力の低劣さが、ものすごく恥ずかしかった・・・ホテルで、恥ずかしいなあ・・・と、恥入っていた・・・うなだれながら、日本から持ってきた虎屋の一口羊羹を食っていた。 帰国してからも、恥入っていた・・・ほんとに、私って、なんもできないな・・・ ともかく、この台北滞在のことは、ホテルに帰ると、facebookに書き込んでいたので、本日のランド節の後編は、facebookからの転載(そこに、ちょっと加筆)で、ごまかす。 手抜き? はあ、手抜きです。それが、何か? これでも、書き込みを、時系列に並べ直すのは面倒くさかったんだぞ。書き込んだ日付けは残したけど、時間は削除しました〜〜いろいろ操作して、時系列に並び替えているうちに、何がなんだかわからなくなって、消えてしまったものもあります。悪しからずご了承くださいって・・・・別に、誰も期待していない。 <では、転載始め> 2月29日 台北の街は、なんか、大阪難波を思い出させる。 (べつに、どうということはない、台北の街角。宿泊していたビジネスホテルは、台北の歓楽街の真ん中にあった。その近所の横道の風景。横道にはいると、迷路みたいに、こういう町並が並んでいて、気をつけていけないと迷子になる。方向感覚が狂う。) 2月29日台北の歓楽街の真ん中にある小さなビジネスホテルの若い従業員の方々は、英語も日本語も話します。打倒ふたつの外国語!それが世界基準。 2月29日台北に無事到着。本日の夕食は、国立政治大学の国際関係研究センター&安全保障研究センター所長の方のお話をうかがいながら。ここは、国民党系で中国志向。 こういう安全保障専門の研究所(大学院の博士課程)は、アメリカと中国と台湾にしかないそうだ。だから、ここには、ロシアからも、ポーランドからも、日本からも、トルコからも、アメリカからも、中国からも、インドからも、インドネシアからも、学生や研究者が来る。講義は、ほとんど英語でなされる。今在籍している日本人学生は外務省の若い官僚さんだそうだ。 台湾と日本は、アメリカと中国にはさまれている点、独立国家ではない点、似ているけれども、日本には安全保障専門の学科も学部も大学もない。なんで、東大にないのかしらね。 2月29日私が混ぜてもらっている安全保障研究プロジェクトのリーダーは、中道右派のアメリカ志向の研究者です。自由党の国会議員の政策秘書もやっていた。だけど、本日の夕食をともにした方は、中国寄りの国民党系の研究者です。なんで、この人たちは、仲がいいのかね? 2月29日明日がきつい。明日は国民党系シンクタンク訪問、あさっては民進党系の方にインタビュー。空港から宿泊先のビジネスホテル(歓楽街の真ん中)まで、私たちを輸送(?)してくれたワゴンバスのガイドさんは、こう言っていた。台湾人の70パーセントが、独立志向で、中国に統一されることには反対と。 でも、台湾独立志向の民進党は負けた。なんで?独立志向だけど、中国離れはできないという現実認識かな。この女性のガイドさんは、一貫して、絶対に中国と言わなかった。「あの国」と言った。 3月1日台北は、冬服の人もいれば、夏服の人もいる。レストランは、ガンガン冷えてる。夏服だと寒いぐらいに、ガンガンに冷えてる。わけわからん。 3月1日ビジネスホテルの部屋は冷房切っても寒い。セーターからだに巻いて寝てる。 3月1日中国や朝鮮王国には、「科挙」があったが、実は今でもある。欧米の大学に留学してPh.D.を取得すれば、現代の台湾でも、中国でも、韓国でも、かつての科挙に受かったエリートと同じ立場になることができる(これは、ご自分もアメリカでPh.D.取得して、ついでにハーバード大学も出た松村氏の弁です)。 3月1日台湾の海軍を引退し、今は某シンクタンクの研究者であり、実に綺麗な英語を話す人物が、台湾はカネがないから、潜水艦なんか最新のものでも18年も使っている、古いのなんか70年も使っている。日本は経済大国なんだから、米台日の相互信頼関係に基づく安全保障協力に、もっとカネ出してもらいたい、政府に働きかけて欲しいと話しておられた。 ちなみに、日本での潜水艦使用期間、減価償却(?)期間は、16年だそうだ。16年経過したら新しいものと交替だそうだ。三菱重工と川崎重工が代わりばんこに製造しているそうだ(大昔に、神戸の少年A事件があったでしょう?あの少年のお父さんは、こうした潜水艦の猛烈ややこしい配線ができるプロであり、貴重なる人材だったという噂があったね)。 3月1日潜水艦とか戦車とか言っても、すでに21世紀は、Cyber Warの時代。台湾でも、Cyber Warに対処できる人材育成はしているが、この分野はすっごくカネがかかるから、これこそ経済大国の日本がやらないといけないと、台湾の元高級軍人の研究者が言った。 3月1日安全保障関係だから、ブログやfacebookに、具体的な人名とか書くな、とプロジェクトのリーダーの松村氏に言われた。あたりまえやんけ。私って、よっぽどアホに見えるんだな。 松村氏が、プレゼンテイションのときに、US hegemonyという言葉を使ったら、インドの研究者が、ちょっと驚いた顔したし、実際に驚いたと言ったので、なんで?と私が質問したら、アメリカの覇権なんて、覇権とは言えない、中国のほうが、よほどhegemonicだという答だった。さすが、中国の未来の最大のライバルであるインドの研究者らしい言葉だった。 3月2日台湾のエリート社会では、英語を話せない人間は、人間ではないそうだ。あ、そう・・・ 3月2日昨日訪問した台北の某シンクタンクで、研究員しているインドの防衛省で働いていた青年が、アイン・ランド大好きだと、私に話しかけてくれて嬉しかった。 挨拶したときに、私が渡した名刺に載っていた私のウエッブサイトのURLに目を留めてくれたのだ。奥さんが、大の日本好きだって。インドやパキスタンには、アイン・ランド読者は結構多い。 3月2日台北に限って言えば、サーヴィス業に従事する方々が、非常に感じがいいです。有名レストランだと、客が個室にはいる前に、トイレを確認して綺麗にする係りの方も、微笑みを絶やしません。これ、やはり、階級社会ということなのでしょうか。 3月2日台北の中華料理店のお料理みな美味しくて、食べ過ぎて、内臓がびっくりしているのか、眠りが浅くて、真夜中に何度も目が覚めてしまう。 (この研修のリーダーの松村氏は、台湾には何度も来たことがあるし、ついでに美食家&健啖家なので、昼食、夕食は、松村氏推薦の中国各地の料理で知られ、かつ値段も安いレストランでいただきました。みんな美味しかったのですが、私のお気に入りは、この「牡蠣のお好み焼き」です。ちゃんと、日本語の説明が、メニューに記されています。非常に感じのいいウエイトレスさんが、切り分けてくださっているところで、私は、わくわくと待っております。ぐはは・・・この写真は、旅の仲間のひとりであった、トマス・ホッブス研究者の美女からの提供です。) 3月2日本日は、台湾にある6つほどの主要テレビ局のなかのひとつの大手テレビ局の企画部の管理職の女性とか、某主要新聞の人気コラミストとか、政治番組の人気キャスターとか、台北のマスメディアに従事する方々のお話をうかがった。 テレビの報道部門のフロアーを見せていただいた。ずらりと並んだコンピュータのディスプレイに刻々と映し出される国内国外からのニュースを、若いスタッフたちが選択し編集していた。若い女性スタッフが多い。男性スタッより数が多い。仕事がハードだから、若くてタフじゃないと勤まらないそうだ。台湾では、女性の方が積極的に仕事するし、やる気あるそうだ。男性の方が保身的(protective)だそうだ。 日本のテレビ局は、番組制作をアウトソーシングしていることが多いが、台湾では、そこまではいっていない。政治系番組は、視聴者への啓蒙目的で、娯楽番組的に作るそうだ。 3月2日日本は別として、東南アジアを含むアジア諸国では、性差別より、階級差別が優先する。上位の階級に属する女性ならば、組織内出世にはまったく問題がない。インドやパキスタンで女性首相が早々と出ていたのと同じこと。昨日お話をうかがった台北主要テレビ局の企画部の管理職の女性は、東京のテレビ局に行った時、管理職が男性ばかりで、驚いたそうだ。私は、日本のテレビ局のことなんか知らないので、そこんところは、よくわからない。 3月3日台湾を見たら、いよいよ、大陸中国を見たくなったなあ。 副島隆彦先生が、中国視察ツワーを「副島隆彦の学問道場」の会員のために企画してくださったら、絶対に参加するなあ。 3月3日台湾のホワイトハウスと言うべき総統府の建物は、かつては日本の総督府があったところ。威容を誇るその建物を見上げて、感慨があった。このタワーのてっぺんには、かつて日本の日の丸が、国旗がはためていたんだなあ・・・・って。立派で、かつ美的な建築であった。先祖の偉業だよ、やはり、あれも。あ、こういう書き方、問題ある?私は、建築物の質のことを言っています・・・はい。 3月3日日本に政党間対立とか、思想対立はないな。日本において、はっきりとさせるべき対立は、主権は国民にあり、国民が選んだ政治家にあるとする人々と、主権は官僚にあると思っている官僚と、その類の官僚もどきの人々との対立だ! 3月3日ここ2日間は、主として、「孫文以来の中国正統政権は、蒋介石が来た台湾にこそあり」と考えている国民党系の研究者、元軍人、メディアの方々のお話をうかがったが、本日は、「台湾は台湾!」という立場の民進党系の方々のお話をうかがう。 台湾の若者は、台湾と中国間の海峡をはさんだ軍事的緊張関係など気にせず、台頭する中国に魅力を感じ、中国とビジネスしたがり、留学したりして、中国の人権侵害問題に関心が薄いので、そこはメディアや教育機関で啓蒙する必要があるそうだ。 台湾の国民党系人々は、孫文以来の正統中国政権は、台湾にこそあると考えているから、そういう意味での「ひとつの中国」として考えているから、今の共産党独裁の中国に統一化される気はさらさらない。本家は台湾。有象無象の分家の育ちの悪いのが大陸の中国という認識らしい。 民進党系人々は、「孫文以来の正統中国政権は台湾にこそあり」なんて考えていない。台湾は台湾。大陸の中国とは別の国家であるという立場。 本省人と外省人の対立ずっと続いている。別のふたつの民族が台湾という国の中にいる。国民党と民進党の対立は、日本の政党間対立なんか問題ではないぐらいの、生々しさ、激しさ。 3月3日いろいろ刺激を受けた。文字情報だけで知っていたことにリアリティが加わった。 国民党系人々は、「我々は偉大なる伝統を持つ中国人であり、辛亥革命で孫文が建国した中華民国の人間であり、大陸中国の共産党政権とは相入れないが、それでもやはり偉大なる中国の人間である」と考える。 民進党系人々は、「偉大なる歴史と伝統の大中国なんて、幻想だ。そんな幻想から中華人民共和国にすり寄っても利用されるだけ。あの国が自由な民主国家になることはない。国連に加盟できなくてもいい。我々は台湾という国の台湾人だ。外国の承認がなければ国とは認められないという発想がおかしい」と考える。 ともあれ、台湾と大陸中国を結ぶ飛行機は週に550便飛んでいる。大陸から、どんどん台湾にやってくる女性は台湾の男性と結婚し根を張る。台湾人は、どんどん人件費の安い大陸に行きビジネスをする。台湾の産業が空洞化する。台湾人と結婚する大陸の女性たちは、生まれた子供たちをどんどん大陸シンパにする。 3月3日今年は、孫文の辛亥革命から100年目。国父堂というのがあり、孫文の大きな坐像があり、1時間ごとの衛兵のシフトの時のパフォーマンスで有名です。民進党の方との待ち合わせ時間までは、そこを見学しました。 (この衛兵さん、微動だにしません。まばたきもしない。2名の衛兵の交代は、1時間ごと。この衛兵交代のセレモニーのパフォーマンスが、かっこいいです。1時間も、どうやったら、動かないでいられるんだろう。私は、この国父堂(孫文の巨大像あり)の衛兵交代のセレモニーが見たかったのだ!で、翌日は、自由時間だったので、午後に中正記念堂(蒋介石の巨大像あり)に出かけて、衛兵交代のセレモニーの一部始終をしっかり観察した!) あの孫文像は、ワシントンD.C.のリンカーン記念館の真似かな。孫文さんは、日本に亡命していた時期があり、政治結社の玄洋社の大アジア主義者頭山満とか、博物学者天才の南方熊楠とか、その他いろんな日本人が世話をした。しかし、孫文の年表や展示は、日本のことはいっさい言及していないみたいだった。 ちなみに、孫文は台湾に来たこともない。それでも、自分のことを中国人だと、中華民国人であると思う台湾人にとっては、孫文は国父。 土曜日なので、国父堂の敷地でもある公園のあちこちで太極拳をしている人々がいて平和な光景だった。 3月3日現実的には、現状維持の継続が、もっとも望ましいんだけど、大陸中国が、民主化のすえに群雄割拠して、分裂したら、とっても都合がいいな〜〜〜というのが、台湾の国民党系列の人々の本音かな。 民進党は、はっきり台湾独立。 私が、台湾人ならば、ビジネスと学術で中国から利益を得られるのならば、国家主権なんか、どーでもいいわ。生活が楽であれば、それでいい。税金少なくて、暮らしやすければ、それでいい。為政者なんか、誰でもいい。どっちみち、関係ない。これが、民衆の本音なんじゃないかな。政経分離よん。 3月3日中国語って、ストレートです。かつ、すっごく大義名分臆面なく前面化言語です。 地下鉄の、お年寄りや妊婦さんや、からだに不自由な人向けの座席は、「博愛席」だ。 そのシート近くに掲げられた標語は、「請発揮愛心」です。良きにつけ、あしきにつけ、しのごのと言葉を重ねない。こういう言語を使用する脳内世界には、曖昧さ逡巡ためらい彷徨&混乱つーもんは、薄いんじゃないかな。 3月3日本日の夕食は、グループといっしょではなく、ランチをしたレストランで食べ残されたものをテイクアウトにしてもらったものを、いただきます。 いくら胃腸だけは丈夫の私も、あの方々の健啖ぶりには、ついてゆけない。男性4名、女性2名のグループなんですが、私以外のメンバーは、実にタフです。はっきり言って、おかしいぞ。食べ過ぎだ!! たたでさえ、私はデブなのに、デブが伝染して、もっとデブになるわ!! ついでに、他のメンバーは健脚で検約志向。タクシー使えばいいのに、しっかり地図見て、地下鉄で動き回る。私は、国内でも国外でも、すぐにタクシーに頼る根性です。「へたれ」です。地下鉄の駅まで徒歩移動だけでも、くたびれる・・・まいるわ。 3月4日おはようございます〜〜昨晩の夕食は、ランチの香港料理の残り物のテイクアウトだったのに、それでも量があり、やはり朝になっても、胃が重い〜〜 中華料理というものは存在しないそうだ。四川料理、香港料理、上海料理、雲南料理とか、その他ナントカの州の料理と、地域の名前がつく料理があるだけだそうだ。 3月4日なにゆえか、私は、昔から、李香蘭(山口淑子)とか、ジュディ・オングとかの、チャイナ・ドレス着た美人に弱い。非常に現実的で、タフで、頭が切れて、美人だけど、贅沢なんだか堅実なんだか、わけわからないような類の何を考えているのかわからないようなドラゴン・レディが好きだ。これは、私の中の幻想のチャイナ。 3月4日台北最後の日。日曜日。午前は、まるまる故宮博物館。展示物が素晴らしいです。玉の彫刻や書がいいです。有名な、ヒスイの白菜は並ばないと見ることができない。すごい混雑でした。日本の高校生も修学旅行で大勢来ていた。 (ここに写っている方々は、なんの関係もありません。高級住宅街のある街並に、緑のなだらかな山々を背景にした故宮博物館の建物です。なんで、私は、どうでもいような角度から、携帯で写すんかね。海外に行ってもカメラは持ってかないので。いちいち撮影するのが面倒くさい。同行した方からいただいた写真ですますモノグサでございます。) この博物館は、正式名称は「新故宮博物館」。なんで、「新」か?第二次世界大戦後、蒋介石政府は、毛沢東の共産軍に負けたので、台湾に逃亡した。総勢250万人が。そのとき、ちゃんと、北京の紫禁城にあった「故宮博物館」のお宝60万点(!)を持ち出してきた。すごいですねえ・・・・ でも、ほんとうに素晴らしい中国美術は、大英博物館にあるそうだ(と、福山市立大学の中国人の同僚が言っていたよ)。 私の感じたところにおいても、ボストン美術館や、ニューヨークのメトロポリタン美術館のチャイナ・コレクションのほうが、台北の故宮博物館の展示物よりも、種類によっては、インパクトがある。大英博物館は、大昔の1980年代に行ったきりなので、覚えていない。 中国美術の傑作の数々60万点、台湾に持ち出されてよかったんじゃないの。ともかく、中国人の手に保護されたんだから。共産党政権下だったら、あのような素晴らしい貴重な美術品は、どうなっていたかわからない。破壊されていたかもしれない。もしくは、共産党幹部の私欲のために、海外に売り飛ばされていたかもしれない。 何が幸いするか、わかんないね。 3月4日故宮博物館見学後、雲南料理のランチ。そのあとは、各自が自由行動。とりあえず夕食までは解散。私は、蒋介石の巨大な座像がある中正記念堂へ。衛兵の交代のセレモニーの一部始終見物。素晴らしいパフォーマンス!こちらの衛兵さんたちも、まばたきすらしない。 中正記念堂の前の巨大な自由広場(モスクワのクレムリンの赤の広場みたいなもんだ)では、市民や観光客が、それぞれ、文字通り自由に寛ぐ。若い子たちは、ヒップホップダンス。本日は温度が上がり陽射しがきつい。今は、ホテルで小休止。これから、また街をそぞろ歩きます。 3月4日台湾で出会った人々は、みなさん、マナーが良くて、品が良くて、かつ自然な情も感じさせてくれる洗練された方々でした。 外国に来て、そこの人々と接し、私もこうありたいと思ったことは、ほとんど経験したことはなかったけれども、台湾は例外だ!良かった! 3月4日台北の中正記念堂というのは、蒋介石の巨大な座像があり、ギャラリーには各国首脳とのツーショット写真が飾られている。 欧米の首脳と会った写真には「接見」とか「会談」とあるけど、日本の首相だと「拝謁」とある。つまり、日本首脳が、蒋介石の拝謁を賜る、という意味です。 大中国の皇帝の拝謁を賜るヤマトの島の王というわけか。 3月4日桃山学院大学教授であると同時に、一時期は、国会議員の政策秘書をしていたことがある松村氏に、「政治家って、どんな人たち?」と聞いたら、返ってきた答えは、「すさまじく強い生き物。何を言われても気にしない」だった。 松村氏は、私から見ると、尋常でなくタフな方であるが、その氏さえも、「僕でさえ、政治家にはなれないと思った」と言った。政治家って、選ばれた人たちなんだよね、やっぱり。 3月4日台北のユニクロと、日本のユニクロ、商品が違うみたいだ。でも、ショップを見ている時間がない。 3月4日最高の軍隊編成は、アメリカの将軍、ドイツの参謀、日本の兵士。最低の軍隊編成は、中国の司令官、日本の参謀、イタリアの兵士。 日本ではエリート養成に失敗していて、庶民の水準が高いというのが定説だったけど、今も、そうかなあ。 <転載終わり>というわけです。 ちゃんと総括せい? きちんとした総括を書く体力も、能力もないよ。 今のところ、言えることはただひとつ! 狭い海峡の向こうの隣国は、とんでもない大国であり、かつ、その大国が、いつもいつも自分たちにミサイルを向けているという状態は、うざい!しかし、ビジネス面で相互利益があるのならば、人権無視の何やるかわかんない大国だろうが、かまわないよ、ともかく関わっていきましょう、儲けさせていただきましょうと、こだわらない台湾の人々は、すごい。 台湾の人々の明るいタフさ、危機管理意識、油断のなさ、それがゆえに身についたであろう国際性(タクシーの運転手さんも英語を話すよ)と、きわめて如才のない洗練された社交性から、日本人が学ばなければならないことはいっぱいある!!ありすぎる!! 私って、ほんと田舎もんだわ・・・・あらためて、そう自覚させられた約2年ぶりの海外体験だった。貴重な貴重な、海外体験だった。 ところで、台北で流行していた色&柄物のマスク、日本でも売っているのかな?あれは、洗って再利用できるのかな? チェックとか、水玉とか、ストライプとか、色もさまざま、模様もさまざまのマスク。マスクと言えば、白と決めつけることはないよな。あのマスクは、カッコよかった。花粉症対策に、オレンジと白の花模様のマスクなんてしたいなあ〜〜〜♪ショッキング・ピンクのマスクもいいなあ。誰かネット販売して。 |