アキラのランド節

悲喜交々の2013年!  [12/15/2013]


お尻が痛い。

椅子に座ると痛い。ソファの前に正座して、ソファの上にラップトップのパソコンを置いて書いている。

情けない・・・・ドーナツ型クッションは、どこかしらん。オロナイン軟膏は?ボラギノールでなくてもいいのよん。

2013年もあと2週間だ。振り返ると、ほんとに悲喜交々(ひきこもごも)の怒涛の2013年だった。

正月は、大学の紀要の論文書きで辛かった。

正月明けは、怒涛の労働で辛かった。

福山市立大学は4学期制をとっているので、2月半ばまで授業がある。年間の「のべ担当クラス数」だけでいくと、同僚のそれと比較すると、私はかなり多いらしい。

1月といえば、特に、あのセンター試験監督は辛かった。

今年も12月26日(!)に、「センター試験監督要領説明会」つーのがある。12月20日に授業は終わるんだから、そのあとは、もうサッサと名古屋に帰りたい。「牡蠣入り味噌煮込みうどん」を食いたい。が、12月25日に会議もあるので帰ることができない。

ああ〜〜「公立大学はラクだから・・・勉強できるから・・・」という誘い文句でリクルートされて、それに乗ってしまった私は馬鹿だった。

まったくラクじゃないよ〜〜〜勉強できないよ〜〜〜給与の額は30代の頃にもどっちゃったよ〜〜10月には8%賃下げされたよ〜〜

先日も、採用人事の面接で、選考委員のひとりだった私は、応募者の方にはっきりお知らせしておいた。「この大学は、待遇は悪いです。研究条件も悪いです。いいところは、ほとんどありません。最低の状態を想像しておいてください」と。

不思議にも私の言葉を、学部長は遮らなかったねえ〜〜〜上司も辛いんだよね〜〜もしくは、すでにして疲弊してしまったか。

それはともかく、今年は、3月に入って、「副島隆彦の学問道場」の主催講演会で、アイン・ランドについて講演する機会をいただけたのは嬉しかった!ものすごく嬉しかった!!

ただ、それが終わって福山に帰ってから、猛烈最低過酷苛烈な便秘に襲われたことは辛かった。あれは、辛かった。便秘で死ぬかと思った。

この時以来、ストレスがかかり、頑張ったあとは、内臓機能が衰えて便秘で苦しむのが恒例になってしまった。悲しい。哀しい。痛い。

でも、3月の終わり頃に、ささやかな「還暦祝い」で伊勢志摩に1泊旅行に出かけたのは嬉しかった。

伊雑宮を参拝し、大王崎に行き太平洋を臨み、Facebook友だちのひとりが女将をしておられる志摩の旅館「和洲閣」に宿泊し、たっぷりと絶品の海の幸をいただけたのは、嬉しかった。美味しかったぞ〜〜〜〜〜♪

翌日は、遷宮を控えた伊勢神宮の外宮と内宮に「御垣内参拝」(みかきうちさんぱい)できたのも嬉しかった。

帰宅してから、副島隆彦人脈のおひとりである崎谷征博医師が提唱なさるナチュラル・パレオ食事法を、フジモリ風にいい加減とはいえ、実践開始したのは、よかった。

おかげで、食事内容に非常に気をつけるようになった。食事をしっかり自己管理するとなると、食材の買い出しから、食品添加物の勉強とか、いろいろ気をつけねばならない。自然に、生活態度をきちんとせざるをえない。その意味で、地に足がつくようになった。

還暦になっいるような人間が、何を言ってんだって?? しかたないっす。私は知恵遅れのアホなんで、還暦になってやっと人並みになったんよ。

外食は、めったにしなくなった。新鮮な魚や肉や野菜を求めて、いろいろ研究するようになった。ひたすら自炊自炊自炊、お弁当作り。コンビニに行くことはなくなった。

今でも、お弁当作りは続けている。午前中に授業があるときは、手抜き料理ではあるが、お弁当を作り、その写真をFacebookに掲載している。ひどいお弁当でも、平気でさらけ出している。残業用の夕食お弁当まで掲載して喜んでいる。

下の写真は、これは12月11日水曜日の残業用夕食お弁当だ。野菜ビーフン(米麺じゃ)に、蕪のピクルスと、みかん2個じゃ。

しかし、4月あたりから、ますます右脚の具合が悪くなってきたのは、辛かった。変形股関節なんだろうなあ・・・

普通ならば徒歩30分でOKの通勤が辛くなった。脚が痛くて立ち往生するようになってしまった。タクシーに頼る日々。辛かった。

5月のGWに意を決し、勤務先のすぐ近くに引っ越すべく部屋探しを始めた。運良く、適当な部屋が見つかったが、かといってすぐに引っ越すわけには行かなかった。

なんでかというと、5月には、「日本近代文学会」というよそ様の学会のパネルで、パネラーのひとりを務めたからだ。お声をかけていただいて嬉しかった。他流試合た面白いよ。

ひさかたぶりに「文学」と「文学研究論文」を大量に読んだ。懐かしい思いがした。が・・・やはり、私には、もう文学研究に戻ることはない・・・と再確認した。

しかし、このパネル準備で疲れたのか、パネル終了して福山に帰宅したら、やっぱり便秘になった。苦しかった。辛かった。痛かった。

やっと6月に、職場から200歩のところにあるマンションに引っ越した。業者さんに頼むとはいえ、引越し作業は辛かった。くたびれた。

敷金、礼金、保険に、引越し費用・・・おカネがどんどん消えた。辛かった。 家賃は5万円も上がった。辛かった。

だけど、大学のすぐそばに引越して、良かった・・・でないと通勤だけで消耗しきっていたことだろう。とうてい働くことはできなかったろう。

夏の2学期は辛かった。忙しかった。夜の8時過ぎまで研究室で仕事していた。すぐそばに自宅があるからこそ、できたことだった。

9月15日には、第4回「東京アイン・ランド読者会」で講演する機会をいただいた。嬉しかった。『肩をすくめるアトラス』について、講演した。アイン・ランド読者の方々と交歓できて、とても嬉しかった。

主宰者の佐々木一郎さんは、この講演をDVD化して販売してくださるそうだ。それも、とても嬉しい。ありがたい。

翌朝に福山に帰ろうとしたら、台風18号のために新幹線は動かず、東京駅で虚しく座り込んでいるのは、辛かった。

しかたないから、また東京に泊まった。翌日に福山に帰り出勤した。くたびれた。辛かった。

しかし、「台風で新幹線が止まっても、無理すれば、ちゃんとその日のうちに帰ることができたはずだから、東京での宿泊費は出張費から出ません」と、大学の総務課から言われた時は、むかついた。

税金を無駄使いしないように総務課も苦心しているのだろう。それは、わかる。しかしだ、そこまでカネがないのに、なんで無理して福山市は大学なんぞ作ったんかね?不思議である。謎である。脳が便秘しそう。

9月下旬になると、右脚は杖を使用するしかない状態になった。ピンクの綺麗な杖を買った。杖は助かる。

杖をつきながらではあったけれども、9月24日から3泊5日でニューヨークに行けたのは嬉しかった。

混雑するマンハッタンの朝の街を杖で歩くのは、疲れる。ニューヨーカーってのは、もうすっごくサッサカと早足に大股に歩くからね。その人々の群れの中に、杖ついて紛れ込む私は、「迷惑な人」になっちゃうんだよね。身体障害者の人の気持ちの一端が理解できた。

それでも、オフ・ブロードウェイで上演されたアイン・ランドのAnthemの劇化作品のプレヴュー公演を連続3回鑑賞できたのは、最高に嬉しいことだったhttp://blogs.wsj.com/speakeasy/2013/09/28/ayn-rands-anthem-gets-staged-off-broadway/

(Matthew Lieff Christian as Equality and Sofia Lauwers as Liberty in the New York staging)

上演後に開かれた観客を交えた演出家&脚本家&主演俳優たちのトーク・ショーで、私は手を挙げて発言した。

「私はこの劇を見るためにだけ、日本からここに来たんですよ。この劇はドンドン良くなっていますね。俳優さんたちのパフォーマンスも素晴らしいです。あ、私はThe FountainheadとThe Virtue of Selfishnessを翻訳したんです」と言った。

そしたら、私は劇場が割れんばかりの拍手喝采を受けた。嬉しかった。

そのあとに、いろんな人に握手を求められ、名刺交換できたのも嬉しかった。

わざわざ、フロリダからニューヨークにアイン・ランドのAnthemの劇化作品を見に来たご夫婦もいらした。ゲイさんのカップルもいた。

「The Ayn Rand Instituteが毎年6月に1週間カリフォルニアで開催するObjectivism Seminarが、僕にとっては真の大学だった。そこで友人もできた」と語る年配の男性も複数いた。

「僕は大学で教えているんだけど、日本人留学生も多いから、あなたの翻訳のこと学生たちに伝えておくよ」と握手を求めてくれた方もいた。

その劇場にいた観客たちは、白人もいれば、黒人もいた。アジア系もいた。老若男女みな、いた。みんなアイン・ランドの愛読者だった!!感激感動!!

この劇は12月の始めあたりまで上演される予定だった。しかし、残念ながら11月の始めで上演打ち切りになった。それは残念なことだった。

Anthem the playは素晴らしい作品であった。涙が出ちゃったよ、私は。ほんと、よくできていた。シナリオも、演出も、俳優も、舞台美術も、照明も、音楽も、みな良かった。

しかし・・・アイン・ランド愛読者でないと理解も共感もできないであろう「カルト劇」ではあった・・・

上演打ち切りは、いたしかたなかった。アイン・ランド愛読者ではない一般の客を呼べないならば、しかたない。興行は、ビジネスだもん。

ところで、杖ついて歩いていると、日本でも、アメリカでも、人さまが親切にしてくださる。みなさん気遣ってくださる。嬉しい。この世の中は、親切な方々が多い!身体障害者になって知る人さまの情けと優しさ。

この短いニューヨーク独り旅は、右脚の不調があるので、いつものエコノミークラスの座席では心配だった。いたしかたないので、私は、生まれて初めて自腹を切って、「ビジネスクラス」の航空券を購入した。大枚のカネが消えた。これもとても辛かった。

引越し費用といい・・・ビジネスクラスの航空券の費用といい・・・涙。

しかしだ・・・機内食つーのは、ビジネスクラスといえども、ナチュラル・パレオ食事法的には最低だな。特にアメリカの食事は、最低かもしれん。うん。

2009年以来のニューヨークだったが、ニューヨークは、いつもの私の大好きなニューヨークだった。それは嬉しいことだった。

まあ、景気は悪そうであり、人々の暮らしにも余裕はなさそうであった。一般のアメリカ人が2009年当時よりも、身なりを構わなくなっていた。「貧乏臭く」なっていた。

日本に帰ってきて、すぐに3学期が始まった。9月の末から、また怒涛の労働が始まった。辛かった。いろいろあって、辛かった。

股関節の異常があっても、医者に行っている暇がね〜よ。今に至るまで、ね〜よ。痛くたって、気にしている暇がね〜よ。

11月には、企業訪問があった。福山市立大学都市経営学部第1期生の就職に少しでも役にたつように、都市経営学部の教員は、それぞれ数社ずつ、福山市内の優良企業の訪問をしろと「キャリア・デザイン・センター」(就職課のこと)から指令が来た。で、私も行った。

意外といっぱいあるんだぞ〜〜福山市内には、日本一や世界一の技術を持っている会社が!

なああ〜〜んと! 訪問した企業(一部上場企業じゃ)で、私は桃山学院大学時代の教え子に再会したぞ!!

2005年の2月に、ニューヨークゼミ旅行&アイン・ランド墓参ツアーにいっしょに出かけたメンバーのひとりだ!!これも、とてもとても嬉しかった!!

あれから8年。

私も苦労して疲弊して、年もとっちゃったのに、彼女は、ちゃんと私を発見してくれたよ!

そう・・・通常業務がきついのに、そこに企業訪問が加わった。そこに、くっだらね〜〜無意味な会議も、いっぱい加わった。秋も、辛かった・・・

12月に入った。4学期に入った。とうとう福山市立大学において唯一の私の担当「講義科目」であるところの「アメリカ文化論」が始まった!!これは、嬉しかった。

やっぱり、講義はいい!!

この科目は、3年生以上しか受講できない。つまり、2011年度創立福山市立大学の第1期生は、やっと2013年に私の講義を聞くことができるようになったのだ!!

とはいえ、「アメリカ文化論」の受講生は少ない。26名。選択科目だし。12月から、3年生は就活だし。

でも、その26名は私の講義を面白がってくれているようだ。と、信じたい。

まあ、公立大学でも、知的好奇心が欠落した学生さんはいる。卒業するための単位取得に必要な作業以外の知的活動には、いっさい無関心な学生さんもいる。それは、もう育った家庭の文化資本の蓄積に左右されるから、しっかたなかんべさ。

そーよ。藤森の「フジモリ性」は、私の「講義」を聴かないと、わからない。「e-learningの英語の先生」としての藤森なんか、藤森じゃない。あれはアンドロイドだ。デブで不格好なアンドロイドもある。

しかし・・・講義の準備はきつい。辛い。

なんと、なんと、みなさまご存知、同僚の渡邊明教授が、「フジモリセンセイ、ご自分の講義を撮影して、あとで視聴するといいですよ。すごく勉強になりますよ。僕のビデオカメラをお貸しますから、ご自分の授業を撮影するといいですよ」と言ってくださった。

渡邊先生は、いつも口調が丁寧な上品な紳士である。

というわけで、私は毎回の講義を、学生さんの手を借りて撮影してもらっている。それを、渡邊明先生がDVDに保存して、私に渡してくださる。渡邊先生、ありがとうございます〜〜〜

渡邊明先生との出会いは、福山市立大学に赴任して私が得た「数少ない恩恵 のひとつでございます。ありがとうございます〜〜

渡邊先生は、私の講義をUstreamに配信して、「希望者には公表したら、いかがですか?」と、提案してくださる。

しかし、「そんな、私の講義など聴きたい人などいませんから・・・わざわざ配信するようなもんじゃありませんから・・・ と、謙虚な私は、はにかんでいる。気持ち悪いわ!!

まあ、私の講義内容のかなりは、副島隆彦氏の著書や言論からのパクリだかんね・・・知的所有権に反するんじゃないかな。

私の講義「アメリカ文化論」の映像を見ると、変なデブの、いかにも還暦っぽい疲れたオバハンというか、お婆さんになりかけのオバハンが、声を張り上げて、しゃべり散らかしている・・・

それでもいいのだ。ちゃんと仕事ができて、炊事とかの家事ができて、便秘にならなければ、それでいい。

急激に話題を変える。秋や冬は野菜がうまい!!サツマイモも美味しい!!

秋以降は、右脚の障害のために、食材買い出しがままならず、イトーヨーカドーのインターネット購入配達サーヴィスを利用してきた。ありがたい。イトーヨーカドーさん、ありがとうございます。

が、なんと「東京アイン・ランド読者会」のメンバーのおひとりの農家の方が、定期的にお野菜を送ってあげますよ、と申し出てくださった!

うわお〜〜〜〜〜♪ 非常に嬉しい!!採れたてだぞ〜〜〜♪ 新鮮だぞ〜〜〜♪ダンボール箱いっぱい購入したぞ〜〜♪

いろんなもん作るぞ〜〜〜♪  食うぞ〜〜〜♪さっそく作ったエビ芋(里芋の一種さ)の煮っころがし。ナチュラル・パレオ的には、里芋って、いいんかな?

ほんに・・・ナチュラル・パレオ食事法を実践していると言いつつ、しっかり甘い物も食っちゃって、干し芋とかカステラなんか楽天経由で注文したりして、私は、いまだにデブのままだ・・・これも辛い。

右脚の故障のためには、体重は軽いほうがいいんだけどね。もう、いまだに60キロの壁が越えられない。私が50キロ代に入るのは、人類が100mを7秒で走ることに匹敵するほどの奇跡なんかしらん。

奇跡よ、起これ。

ほんに、私の2013年は、辛いことが多かった。哀しいことが多かった。しんどいことが多かった。

しかし、嬉しいこともいっぱいあった。いろいろな方々に助けられた。親切にしていただいた。優しくしていただいた。Facebookでも、ほんとにいろいろ貴重な情報をいただいた。いろいろなお気遣い&お心遣いを、いただいた。

Facebook友だちから、テレビドラマの『八重の桜』や『リーガル・ハイ』や『安堂ロイド』の面白さも教えてもらった。これらのドラマもみな最終回だ!

もう確信だ。『リーガル・ハイ』の脚本家の古沢良太氏は、アイン・ランドの『水源』を読んでいる!!

本日で、『八重の桜』と『安堂ロイド』は最終回を迎えた。

「藤森かよこの肥満は禁じられている!」と美形のサイボーグが、毎日、私にクールに言ってくれないかな。

うん?なんのことか、わからない?わからないなら、それでいいのよ。

北海道の酪農農業について漫画にした荒川弘さんの『百姓貴族』1巻から2巻(新書館)の面白さも、Facebook友だちのひとりから教えてもらった。

同じ作者の、『銀の匙』1巻から9巻(小学館)の情報力と啓蒙性についても、Facebook友だちのひとりから、教えてもらった。これは、北海道の全寮制の農業高校の青春を描いたものさ!!

「銀の匙」というのは、一般には「銀の匙を加えて生まれてくる」と言うように、生来食いっぱぐれのない貴族の子どもなどに対して使われる。

しかし、この漫画における「銀の匙」は違う。「農業ができれば、一生のあいだ、食いっぱぐれがない」という意味において、「銀の匙」は、この漫画の舞台の農業高校のシンボルなのだ。

いやあ・・・日本の農業について、学びたいのならば、まずは、この漫画から読みたまえ!!

今は、Kindleで漫画も読める!!素晴らしい!!

はあ・・・まさに、2013年は悲喜交々。

哀しい辛い糸も織り込まれているけれども、ピカピカ光るカラフルな糸もたくさんたくさん織り込まれた2013年。

お尻が痛かろうが、杖ついて歩くはめになってしまっていようが、理不尽な職場における怒涛の労働で常にくたびれていようが、やはり、2013年の私も幸福であった。

みなさま、ありがとうございました!2013年も、ありがとうございました!

26日に名古屋に帰ったら、さっそく『永遠の0』の映画化作品を観に行くべ。そんな元気が残っていれば・・・の話だが。