アキラのランド節 |
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福山から見える世界の構造 [06/14/2014]イラクとかシリアとか、あのあたりが常なる以上に騒がしい。
Islamic State in Iraq and the Levant(ISIL)っていうイスラム教徒結社軍(?)が、シリアの内乱に乗じて、どんどん膨れ上がっているそうだ。外国に居住するイスラム教徒まで加わりイラクに進軍しているそうだ。
副島隆彦氏のお弟子さんの田中進二郎氏のFacebookの書き込みによると、「サウジアラビアのワッハーブ派の凶暴なイスラム教徒が、アフガニスタンで訓練されて、アルカイダとなり、シリア内戦で『自由シリア軍』となり、さらに過激派が分派して、ISIL(もしくはISIS)となった」そうだ。 このイスラム教徒結社軍がイラクに侵攻したら、それを迎え撃つのはイラク人ではないそうだ。なんと、シーア派の「イラン軍」なんだそーだ。 なんでか?田中進二郎氏によると、イランはISIL(もしくはISIS)を背後で援助しているのはイスラエルと考えているので、ISIL(もしくはISIS)と戦うのだそーだ。
で、このイラン軍を支援するべく、オバマ大統領はイラクに軍を派遣するそうだ。
イランとアメリカが、実質的に軍事同盟を結ぶ?? どーいうこと?? なんで、なんで??イスラエル・ロビーにアメリカ政府は牛耳られているんじゃなかったの? が、最近は、イスラエルの思い通りにはアメリカ政府も動いてないようだ。 先だって来日したイスラエル首相のベンヤミン・ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu: 1949-)が、アメリカの国務長官ケリーさんと会ったときに、ケリーさんをボコボコに殴ったという噂がある。「どんだけお前らにカネを払っていると思ってんるだ!!バカ!!なんで俺らの言うとおりにしないんだ!!」というわけで。 ほんまかいな。 しかし、状況はいつだって変化しつつある。同じところにとどまっていない。アメリカとイスラエルの蜜月にも終わりはあるのであろう。あるんかな? さて、さて、どうなるか・・・ ISIL(もしくはISIS)は、本気でイスラム教徒の天国を地上に実現させる気なんですかね??そのためにはジハードといいますか聖戦といいますか、「大戦争」「大破壊」も辞さないつもりなんですかね? 「大戦争」「大破壊」が起きてこそ、神が支配する千年間にわたる楽園が地上に出現するというのは、旧約聖書の黙示録に書かれている。 じゃあ、千年が終わったらどうなるの? そこで歴史が終わる(らしい)。 という非現実的で幼稚でアホな幻想を「千年王国幻想」もしくは「ユートピア幻想」と呼ぶ。 私は、人類は未来永劫アホを繰り返すんじゃ・・・この世というものは、そういう場所なんじゃ・・・アセンションも人類の大覚醒も、そんなもんは起きないよ・・・自分の日常と周りを見ればわかるでしょ・・・・と、思う。 でも、ユダヤ教徒の脳にも、キリスト教徒の脳にも、イスラム教徒の脳にも、マルクス教徒の脳にも、このような「千年王国幻想」もしくは「ユートピア幻想」が巣食っている。 だからこそ、その「千年王国」実現のためにハルマゲドン大破壊を起こさないとあかん!ということで、Islamic State in Iraq and the Levant(ISIL)は、どんどん数を増して、血気にはやるばかりらしい。 迷惑な話だ・・・ そこまで獰猛になれない人々は、ファレル・ウイリアムス(Pharrell Williams:1973-)のHAPPYを歌っている。踊っている。 ♪Clap along if you feel like happiness is the truth~~~♪ ファレルさんは、非常に繊細で霊的な、実にいい顔をしているね。グラミー賞を受賞したGet Luckyも良かったけど、このHAPPYもいいね。 世界各国のHAPPY踊りの映像がYouTubeに投稿されている。それも、あんまりHAPPYじゃなさそうに踊っている。やけくそで踊っているみたいに見える。多分、やけくそだと思う。 シリアではHAPPY踊りをして、その映像をYouTubeに投稿した若者たちが逮捕されたそうだ。BBCで、そう報道されていた。シリアに関するBBCの報道は信じられないけど。 福島のHAPPY踊りもある。放射能汚染なんか心配していてもしかたない。逃げたい人は逃げればいい。癌や鼻血が怖くて生きていけるか。 これは、誰もが気づいているように、現代の地球規模的「ええじゃないか」だ。 「ええじゃないか」って、幕末に民衆が集団で踊りながら伊勢神宮に向かったってやつね。もう、自分ではなんともならん状況の中で狂わずに自殺せずに生きるには、その状況を忘れて騒ぐしかないから、踊って騒ぎましょうという集団ヒステリーね。 ご存じ、日本幕末の内乱は、西洋列強の代理戦争だった。ヨーロッパの戦争やアメリカの南北戦争が終わって売れ残った武器の在庫を幕府にも会津にも薩摩や長州にも売って儲けた人々がいた。 だから、今のシリア内乱やイラクへのイスラム教徒大軍進軍の背後にも、儲けようとする人々がいる。 ウクライナ・クリミア紛争の背後にもいる。 東シナ海や日本海で起こる可能性のある軍事衝突の背後にもいる。 そのような背後で戦争を仕掛ける超特権層の人々も、ほんとうは恐怖にかられて動いている。この世界で絶対に安心できる状態を確保するためには、とんでもないカネが必要なんだから、カネでしか人間は動かせないんだから、際限なくカネを蓄積しておくしかないんだから、ビジネス(?)チャンスは待ってじゃだめだ、自分から仕組まないと、儲けることはできないということで。 この人々は、頭がいいので、「千年王国幻想」もしくは「ユートピア幻想」なんて信じていない。 信じるのは、自分と自分の一族を守るカネだけ。資産だけ。資産を守る仕組みだけ。 その判断は適切なのだろう。 私はカネのない貧乏人である。そういう人々に翻弄されるだけの無産階級である。だから、そういうこの世の真実を認めたくはない。 しかし、自分の状況や思惑の外部に現実があることを認めなければならない。自分の願望や期待は、それはそれで放置しておいて、現実は直視しなければならない。アイン・ランドだって、そう言っている。だから、私は、この世の現実を直視する。 シリア内乱やウクライナやクリミアの内乱の虐殺死体の写真を直視する勇気はないけれども。自分が排泄したものを直視することもできないけれども。 ともあれ、巨大な恐怖にかられた異常に狡猾で頭のいい人々が、保身のために仕組んでいることによって、世界が、多くの人々の暮らしが左右され、生命も左右されてきた。 この人々の恐怖が伝染し、世界は恐怖と不信に憑りつかれてきた。 それは歴史の教科書には書いていないことだ。 ちょっと、そこのあなた!そんな話、自分には関係ないと思っていませんか?いやいや、世界のこの構造は、あなたの身近にある。あなたが生きている日常が、この構造の中にある。 たとえば、私は広島県福山市に住民票があって、その町が初めて作った福山市立大学というところで、2011年4月以来働いている。 で、3年が経過して、やっと理解できるようになった。 私が勤務しいている福山市立大学というところは問題が山積している。その問題のいくつかは、この大学の私を含む教職員や管理職の資質が生むものであるのだろう、確かに。しかし、ほかの多くの問題は、福山市が歴史的に作ってきた構造が生んでいる(と思う)。 瀬戸内海沿いの地域は、古くから開けてきたところだ。瀬戸内海という海の道をたどって交易が行われてきた。福山市は、平安時代は藤原氏の荘園であったので、「藤」がつく名字の人々は非常に多い。 歴史が古いということは、それだけ日本の歴史が生んできた階級構造を温存してきている、ということだ。 かつての福山市には、町の規模には不釣り合いに「色街」区域が広がっていた。福山港から福山城近辺までは、みな色街だったといってもいいぐらいだった。 今でこそ、かつての色街は、いくつかのアーケード商店街に変わり、福山港近辺は埋め立てられた。その埋立地の一角に福山市立大学は建っている。 かつての色街の伝統があるので、今でも福山市には非常に多くの小料理屋、居酒屋がある。これらの店は、瀬戸内海の海の幸を利用した美味しい料理を、安価に提供してくれる。イタリア料理店も水準が高い。 また、これらの店は、福山市立大学の学生のアルバイト先でもある。うちの学生さんたちを、よろしくお願いいたします〜〜♪ 現在では、福山市の歓楽街は非常に縮小した。とはいえ、金曜日の夜から週末は、近隣からの歓楽街目当ての訪問客が、まだまだ多い。 昼日中から、外国人観光客が駅前のタクシーつかまえて、「ソープランドまで行って」と言うところだ。タクシーの運転手さんは、「夕方にならないと開店していませんよ。No Open!!」と説明しなければならない。 どうも外国人用観光ガイドには、福山市はそーいうところだと書かれているらしい。 街の規模のわりには不釣り合いなぐらいに広域に色街があったということは、その色街を仕切る類の裏稼業の人々が存在した、ということだ。生業には就けず、裏稼業で稼ぐしかない人々がいたということだ。 このような人々は、生業に就けなかった人々であるから、おそらく社会の階層秩序の底辺にいた人々であろう。 つまり、これらの人々の層が厚くならざるをえなかったのが、福山市の歴史だ。 これらの人々は、いつしか、福山の行政機関の中にも入り込み、同じ類の人々を行政機関に集めたに違いない。 同じ類の人々の生活が成り立つように、いろいろ便宜を図ったに違いない。市民から集めた税金を、自分と自分の同胞たちに分配できるような仕組みを作ったに違いない。 そのような類の人々の票を集めて市会議員になった人物もいたに違いない。彼らが企んで、自分たちに都合のよい行政機関の長が選ばれるように運動した可能性もあったに違いない。 オバマ大統領がアメリカや世界を動かしているわけではないのと同じ仕組みだ。 税金を合法的に使う方法はいろいろある。福祉関係の団体を立ち上げるとか、自分たちが職員として雇用されるであろう公共団体を立ち上げるとか。 まあ、「公共事業」に関与すれば、税金は使える。 というわけで、「公共事業」といえば土木建設。この業界にも、「かつては生業に就けなかったので色街を仕切っていた人々が、今さらまっとうに働くことはできないので、そんな訓練を自分に課すのも面倒くさいから、税金にたかることにしました」という人々が進出したかもしれない。 その人々には、その人々なりの大義もあるのだろう。「我々は、社会の底辺で、この社会の矛盾と泥をひたすら浴びてきたのだ、何百年にもわたり・・・搾取されてきたのだから、今、搾取された分を取り返すのは正義である」と考えているのかもしれない。 ほとんどの市民は自分の生活と日々の仕事で、市政などにかまっている暇はない。市長選挙も市会議員選挙も投票をさぼることも多い。 しかし、「我々は、社会の底辺で、この社会の矛盾と泥をひたすら浴びてきたのだ、何百年にもわたり・・・搾取されてきたのだから、今、搾取された分を取り返すのは正義である」と考えている人々と、その人々と繋がることに利益のある人々の結束は固い。投票には、必ず彼らや彼女たちは行くからね。 勝ち目がないわ。 また、「我々は、社会の底辺で、この社会の矛盾と泥をひたすら浴びてきたのだ、何百年にもわたり・・・搾取されてきたのだから、今、搾取された分を取り返すのは正義である」と集結している人々の中には、裏社会につきものの暴力のプロもいるのかもしれない。 かつて隣の町の尾道市の市長夫妻が惨殺された事件があったそうだ。いまだに犯人は逮捕されず迷宮入りの事件が。あれは単なる強盗殺人じゃあないね・・・プロの仕事だね・・・ってことは・・・と、それ以上は語らない人々は多い。 ぶっちゃけて言えば、ひょっとしたら「福山市立大学」も福山市の土建業さんたちの仕事作りのために創設されたのかもしれない。 「福山市立大学」が、「福山市役所付属福山市立大学」である現状は、地方の行政機関では見識も情報もないから、大学を持つということが、どういうことかわかっていないという問題から生じているわけではないのかもしれない。 福山市立大学の問題は、福山市の構造が生みだしているのかもしれない。 その構造は、世界の構造と同じだ。 この構造は、数年や10年ぐらいでは何ともならないだろう。 根本は、パリア(pariah)を生み出してしまう社会が問題なのだ。 アメリカやシリアやイランやイスラエルやウクライナの背後にいて、内乱や戦争をたきつけている人々の祖先は、かつて世界に居場所のないパリアであった。 パリアというのは、「社会ののけ者」という意味だ。南部インドの最下級民のことだ。パーリアとも発音される。 パリアだった人々の世界への恐怖と不信と憎悪は、家宝のように家訓にように、子孫に継承されている。徹底的に世界に喰らいついて寄生して、食い尽くすつもりだ。 宿主を殺すまで喰らいついたら、寄生虫も生きられないから、加減をしながらも。 パリアを生み出す社会は、パリアから復讐される。 男は女に。 白人は有色人種に。 日本社会は、日本社会から排除され日本にルサンチマンを抱く人々に。 キリスト教徒はイスラム教徒に。 アメリカ合衆国は黒人に代表されるマイノリティや移民たちに。 かつての西洋列強は、かつての植民地からの移民に。 だからさ、アイン・ランドは言った。他人を自分のために使役しちゃいけないって。搾取しちゃいけないって。労働に見合うだけの報酬も与えずして、他人の労働の上に暮らしちゃいけないって。 ほんとうの「資本主義」は、道徳に基づいたフェアな交換だって。だから、「資本主義」は、いまだ実現されていない理想だって。 アイン・ランドは、自分がロシアのパリア(不可触賤民)の末裔だったから、搾取には非常に敏感だった。弟子に自分に対して奉仕させるなんてことはしなかった。タダで他人を使役するなんてことはしなかった。 まあ、「私の親が彼女の親にカネ貸して返してもらっていないから、まあチャラだろう」と思って、従妹からの借金は踏み倒したけど。 個人的な借金は返済しないといけません、ほんと。返しておかないと、死後にいたるいまで、いろいろ言われ書かれます・・・ って、何の話だったか?つまり、現代の世界が、元パリアの世界への恐怖と不信とルサンチマンから操作されているように、そのミニチュアである福山市も、そのような状況にあるということよ。 こんな構造、なんともならんよ。ということで、福山の選挙投票率はいつもいつも非常に低い。市民があきらめているんですね〜〜 さて、そのような街に生きる私に、できることは何か? 私としては、「他人をタダで使役しない!他人にタダで使役されない!私自身のためにもならん!この世界のためにならん!」と務めるだけだ。 したがって、ブラック企業の製品は購入しないとか、ブラック企業の運営する居酒屋やレストランには行かないとかも、ささやかながら、できることだな。。 安ければいいってもんじゃない。適正な値段ってものがある。安いということは、誰かにひずみが押し付けられているということだ。 うちの学生のアルバイトの時給は800円だ。学習塾の時給も、1000円ぐらいだ。これは25年前と変わらない。物価は25年前より上がっているのに。 日本の企業もなあ・・・ 海外に行って、現地の人々を安く使役して、稼いだつもりでいても、外地に作った工場なんて、いずれは現地の国家に没収されるでしょ? 多国籍大企業になるつもりで日本を出たら、日本を頼るな。もう帰ってくるな。 なんで、多国籍大企業の製品を買ってもらうために、日本が安全性に問題のある農産物を購入させられるのか。そこまで日本に守られた大企業は日本に税金を払っているのか? 日本国内に閉じこもり、日本が繁栄する道はないもんか?日本企業は日本国内で日本人を雇用し、日本人の購買力を高め、需要を生み出し、それに対して供給する。なんで、それができないのか。 雇用が収縮すれば、日本人の購買力や消費力縮小し、無職や低収入の若い人は結婚もしないし、子どもも生まない。 外国資本に日本企業を買わせるな。外資的に株主資本主義になると、利潤は、設備投資や技術革新や被雇用者の福利厚生に使われないでしょ。利潤は株主にのみ分配されるでしょ。 だいたいさ、損は絶対に引き受けませんというガチガチ合理主義では企業家(entrepreneur)にはなれない。企業家というのは、前提として博打を打たねばならない。技術革新ってさあ、イノヴェイション(innovation)ってさあ、研究を始めるときは、成功するかどうかなんかわからないんだからさ。ほとんど失敗するのが普通なんだからさ。その普通を突き破る粘りと運がなければ、技術革新なんてできないんだ。 そーいう博打を打てるのが企業家だ。働かずして、カネにカネを生ませることのみ望むような類の株主たちでは、企業が育つはずない。 そんな株主たちに頼っている企業では、世界を国家を牽引するような企業になれるはずない。 つまり、株高と配当金ばかりに拘る株主=外資に入り込まれたら、日本企業は食われるだけで、サッサと売却される。 社会に寄生し、他人を搾取するってさあ、長い目で見たら、安全保障にはならんと思うけどねえ・・・ アイン・ランドが言った「長期的視野のもとでの自己利益を図る」ってことは、そういうことではないんだけど、この種の寄生虫商行為をアイン・ランドの思想に影響されてやっていると言明するアメリカ人がいる。 そいつらは、ほんとうにはアイン・ランドの作品を読んでいない。読んだとしても、実質は文盲だ。 また話が逸れた。すみません。 以上、これが福山市の市民となり、福山市立大学の被雇用者となって4年目に私が得た認識であります。 晴れた日には永遠が見える。福山市から世界の構造が見える。この3年間は、いろいろ大変だった。しかし、やっぱり苦労はしてみるもんだ。 |