Anthem(1938)全訳 |
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訳者より
★ 以下の文は、アイン・ランドが『水源』執筆時に同時に書いたAnthemの全訳です。なぜか、この中編小説だけが、版権が切れています。だから、勝手に訳して勝手に発表してもいいようです。だから、そうします。これは、2003年の夏に私が天中殺にも大殺界にもめげずに訳したものです。ある出版社から出版してくれるというお話をいただいたのですが、その後その出版社のご都合で、そのお話は消えたようです。ですから、ここで発表することにしました。
★ 私は、ジョージ・オーウェルの『1984』(1949)のネタのひとつは、この『アンセム』だったのではないか?と疑っています。このファンタジーは、まず英国で出版されました。オーウェルは、同時代の女性作家によるSFから、ぱくっていたらしいことは、すでに研究されていますから、可能性が全くないとはいえません。ただし、ぱくろうが何しようが、『1984』の方が、はるかに偉大な作品ですが。あと、カート・ヴォネガットの短編に、この『アンセム』とよく似たテーマを扱ったものがあります。Welcome to the Monkey Houseに収録されています。ヴォネガットもランドの読者だったのではないかなあ? ★ これは、一人称がない世界に住むひとりの若者が、一人称を見出すまでの物語です。『水源』と『肩をすくめるアトラス』をお読みになった方々は、この作品がこれらの長編小説の卵子〔精子?〕であることが、おわかりになるでしょう。訳文は推敲不足ですから、ぎこちないです。いずれ時間があるときに直します。今のところは、これですみません。 『アンセム』(1946年版:初版1938年)アイン・ランド作/藤森かよこ訳
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